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『物語 パリの歴史』を読む

”こどもの日”の今日は、朝から見事な青空が広がり、気持ちよい一日です。この連休期間中は一日おきに、息子と電車旅をして過ごしており、今日もそのノルマの日でした。首都圏近郊を電車に乗って旅するのは、息子の満足度が最も高い時間の過ごし方です。電車で移動する合間に読んでいたのが、高遠弘美『物語 パリの歴史』(講談社現代新書2020)です。時々読み直したくなる大切な本です。

特別な街、パリ

これまでに多くの世界の街を訪れる機会に恵まれましたが、「パリは別格である」と感じています。最近は、以前に比べて海外旅行をしたいという意欲がかなり薄れていますが、パリならば、もう一度旅してみたいなあと思います。さまざまな魅力に溢れる、セクシーな街です。

この本の帯に書かれている”どの街角でも歴史に出会う街”は、大袈裟な誇張ではありません。知れば知る程パリという街への興味は尽きません。本書には、パリの歴史と魅力を描いた30章(第一部 パリの歴史を辿る)+1(第二部 それぞれのパリ 私のパリ)が収録されています。第一部は、目次を睨んで、興味を惹かれた章から読んでいっても十分に楽しめる構成になっています。

パリの公園

私は、「へぇ~」と唸る、ちょっとしたエピソードが好きなので、本書は洒落たネタ集めにも最適です。

今回の読み返しで特に面白かったのが、パリの公園についての解説(P229~233)でした。パリは、公園や広場が似合う街です。遊歩道なども含めると、パリ市内には450もの公園や広場があるようです。

たとえば、パリ観光のメッカの一つ、コンコルド広場は、かつては革命広場と呼ばれ、フランス国王、ルイ16世(Louis XVI 1754/8/23-1793/1/21)と、王妃マリー・アントワネット(Marie-Antoinette 1755/11/2-1793/10/16)が、断頭台のギロチンで処刑された場所でした。正式名称が、コンコルド広場(Place de la Concorde)と定められたのは1830年、オベリスクが建設されたのは1836年のことです。

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コンコルド広場

フランス語には公園を現す単語が幾つもあります。

jardin(ジャルダン)…芝生や花壇のある街中の公園
parc(パルク)…大規模な公園、城館に付属する公園
square(スクワール)…柵で囲まれた広場を含む小さな公園
place(パレス)…広場的な公園
bois(ボワ)…森、巨大な公園

他にも、allee, coulee verte, esplande, mail, promenade といった単語が使われるようです。フランス語の単語には、優雅な響きがあります。今後の余暇の嗜みとして、フランス語を齧ってみたくなりました。

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