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『めぐり逢えたら』を観る

本日は、私にとって思い出深い1993年の映画『めぐり逢えたら Sleepless in Seattle』を語りたいと思います。


最高のラブコメ映画と言う人もいる

この映画の脚本・監督は、ロマンチック・コメディの名手であるノーラ・エフロン(Nora Ephron、1941/5/19-2012/6/26)です。主役の二人、サムとアニー役は、トム・ハンクス(Tom Hanks、1956/7/9- )とメグ・ライアン(Meg Ryan、1961/11/19- )の黄金コンビが演じました。

このチームは、1998年には再び、ニューヨークが舞台の『ユー・ガット・メール You’ve Got Mail』を製作しています。

私にとってこの『めぐり逢えたら』は、アメリカに住んでいた頃、アナログビデオやケーブルTVの再放送で何度も観た懐かしい映画です。妻もこの作品が大好きでしたし、私の知人の中には、「ラブ・コメ映画の中でこれが一番好き」と言う人が何人かいます。今回amazon primeで15、6年振りに見直しましたが、楽しめました。メグ・ライアンはチャーミングな女性です。

あらすじ(完全ネタバレ)

ストーリーを記します。

建築家のサムは、妻(キャリー・ローウェル リチャード・ギアの元妻)を病気で喪い、8歳の息子、ジョナ(ロス・マリンジャー)を連れてシカゴからシアトルへ移住するものの、失意から立ち直れない日々を過ごしている。ジョナは、落ち込む父親のために新しいパートナーが必要と考え、あるラジオ局の相談番組に電話をする。

ボルチモアに住む新聞記者のアニーは、婚約者のウォルター(ビル・プルマン)と実家のクリスマス・パーティに出席し、その帰り道、車を運転中に偶然聞いたラジオの相談番組で、“シアトルの眠れぬ男”サムが切々と語る亡き妻の思い出に涙する。母から聞かされた「運命的な出会い」を感じる。

ラジオの反響は大きく、サムには全米から大量のラブレターが届く。周囲の人たちからの薦めもあり、本格的に再婚相手探しを決意する。ジョナとガールフレンド、ジェシカ(ギャビー・ホフマン)との関係にも触発され、仕事で知り合ったヴィクトリア(バーバラ・ギャリック)と付き合い始める。

サムに運命を感じるアニーは、サムのシアトルの住所を突き止めると、友人のベッキー(ロジー・オドネル)と観た映画『めぐり逢い』に影響を受けて、バレンタインデーの2月14日にエンパイアステートビルで会いたいとラブレターを送る。そして、シアトルまでサムに会いに行くが、道路沿いに出会ったサムには「ハロー」としか話しかけられなかった。一方、サムの方も、空港やこの時のアニーに強い印象を受けていた。 ボルチモアに戻ったアニーはサムへの思いを振り切り、結婚準備を進めるべく、ウォルターとバレンタインデー休暇を過ごす約束をしたニューヨークへ向かう。

手紙の文面からアニーに好意を抱くジョナは、サムに反発する。約束の2月14日、ジェシカの協力で手に入れた航空券でニューヨークへと向かう。慌ててジョナを追いかけたサムは、エンパイアステートビルの展望台でアニーを待っていたジョナと再会し、詫びを言いながら抱き締める。

アニーは、エンパイアステートビルが見えるレストランでディナー中にワルターに婚約解消を伝え、指輪を返す。エンパイアステートビルに点灯したハートのサインを観て約束を思い出し、アニーは展望台へと向かう。ビルに到着した時には既に展望台の営業は終了していたが、『めぐり逢い』と同じ状況に共感した警備員が、アニーが展望室へ上がることを許す。

アニーは、無人となった展望室で忘れ物のリュックを見つける。中に入ったぬいぐるみを眺めている時、忘れ物を探しに来たサムとジョナと出会う。サムとアニーは、お互いに運命の出会いを直感し、手を取り合って3人でエレベーターに乗り込む。

Wikipediaより抜粋

印象的な登場人物が多い

「運命の出会い」がテーマで、1957年公開の映画『めぐり逢い An Affair to Remember』が重要な役割を担っています。相当に強引でご都合主義的な設定も満載のストーリー展開ではありますが、随所に素敵で魅力的なシーンが繰り広げられ、勢いとユーモラスな空気感で最後まで持たせています。

私は、主演の二人以外のキャストが魅力的だなあと思いながら、毎回楽しみます。

まず、生意気だが父を愛する息子のジョナと、ジョナのガールフレンドで、おませなジェシカのコンビが最高です。タレントのDaigoが得意とする頭文字トークを、ジェシカが"H&G"(Hi and Goodbye)とかやっています。

誠実で善良だが、ユーモアのセンスが皆無で、面白味に欠けるアニーの婚約者ワルター、笑い声が下品でガサツな印象を与えるサムの交際相手ヴィクトリアが、物語のいいアクセントになっています。観る側には、「彼/彼女は絶対に運命の相手じゃないよね……」という妙な納得感を与えてくれます。ワルターが、子供時代からずっと”ワルター”と呼ばれていて、両親や友人からニックネームで呼ばれたことが一度もない、というエピソードもなかなか皮肉が効いています。

アニーの親友ベッキー、サムの友人グレッグやジェイも登場は少な目ですが、いい感じに爪痕を残しています。営業終了後のエンパイアステートビルの展望台に上がることを許す案内所の警備員の男もいい仕事をしています。

私の一押しは、ジョナの子守り役で登場するテンションの低いクラリス(アマンダ・メイハー)です。ジョナがいなくなり、血相変えて家中を探し回るサムの後ろから、「ジョナ……」とだるそうに付いて歩くシーンには、毎回笑ってしまいます。

現在の状況は好対照の主演二人

手練れのトム・ハンクス&メグ・ライアンがコンビを組むと、いい空気感の映画になります。演技の相性がいいのだろうと思います。

元々コメディタッチの役柄を得意としていたトム・ハンクスは、この作品の後に公開された『フィラデルフィア Philadelphia』『フォレスト・ガンプ/市一期一会 Forrest Gump』でも主役を演じ、二年連続でアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。その後も、コンスタントに話題作や超大作への出演が続いています。シリアスからコメディまでこなし、アメリカを代表する名優の仲間入りを果たしています。

一方のメグ・ライアンは、この作品でアメリカン・コメディ賞を受賞し、『ロマンティック・コメディの女王』と呼ばれました。ただ、有力作品への出演を断ったり、俳優ラッセル・クロウとの不倫騒動を起こしたりとスキャンダルが続き、最近は出演作に恵まれず、動向があまり聞かれません。

もう一度、年齢を重ねた二人の共演を観てみたいなあ、と思っています。

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