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『チャップリン自伝 若き日々』を読む
本日は、中里京子『チャップリン自伝 若き日々』(新潮文庫)の読書感想文です。
38年振りのチャップリン自伝
先日、サン=テグジュペリの『星の王子さま』を買いました。今年『星の王子さま』は"新潮文庫の100冊"に入っていたので、付録として付いてくる栞を貰いました。
なかなか可愛い栞だなと思い、書店で新潮文庫の棚を漁りに行った時に目に止まって、大人買いしたのが、この本です。(本書は、新潮文庫の100冊対象ではありません)今日読んでいるのは、前編で、後編は「栄光と波瀾の日々」という副題で688頁もあります。二冊セットで1,000頁以上ある大作です。
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チャップリンの自伝は、高校一年生の時の英語の教科書にその一部が出ていました。高校一年レベルでも読みこなせる程度の平易な英語(に置き換えられていたのかも)ながら、ものすごく格調が高い感じがして、凄く印象に残っているテキストでした。
チャップリンは名文家
昨日、青春18きっぷで名古屋行きの普通電車に乗ってから読み始めました。第一印象は、〜いかにも不遜ですが〜 『チャップリンは文章が無茶苦茶巧い!』でした。それは、英語を日本語に翻訳された中里京子さんの力が大きいのは当然として、明らかに原文の格調高さが随所に滲み出ています。
生まれてから前半生の極貧時代の描写や、母と兄のシドニーとの絆の部分には、泣きそうになります。書かれている内容のイメージが、自分の脳裏にビジュアル的に居座り続けます。経験したことのないロンドンの1890年代から1900年代の様子がクリアに見えてくるのです。これは驚きました。優れた役者であるだけでなく、映画製作者・監督でもあったチャップリンの真骨頂と言えるかもしれません。
感覚を味わう
まだ二冊目(後編)にも入れていないので、現時点で全容を語ることは出来ません。チャップリンは生涯役者の人生を貫いた人ですが、食うために、ありとあらゆる仕事をしていることを知りました。だからこそ、あんなにリアルな映画を次々と創れた、社会の弱者側に与する視点からの作品が多いのだと納得しました。
この本は、全力でおススメできます。
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