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「お金のために働く必要がなくなったら何をしますか?」を読む

まとまった長期休みが取れる年末年始休暇は、普段なかなかできない読書を存分にするチャンスです。読了冊数を目標にするのは意味がないと思いますが、2019年も多くの知的好奇心をくすぐられる本に出逢いたいものです。昨年から読み始めた、エノ・シュミット、山森亮、堅田香緒里、山口純『お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?』(光文社新書2018)では、しばしば話題になる「無条件なベーシックインカム」を巡る議論や最新の動向を知ることが出来ます。


ベーシックインカムは興味深い制度

私は「ベーシックインカム」の導入を支持します。生活していく為に、人生の大部分を働くことに費やしたくない無条件のベーシックインカムで収入保障がされているなら、会社勤めなんてさっさと辞めてしまいたい、と真剣に思っています。

働かざる者、食うべからず」という野蛮な価値観よりも、聖書の一節「野の百合は働きも紡ぎもしない」の方が、今の価値観にフィットしていると思っています。労働者として使用価値が高い人間が、"成功者"として社会的、人間的価値も高い、と見なされる社会でも別に構わないとは思いますが、私自身はいつまでもそういった競争の中に身を置き続け、他人から評価を下され、時に不本意な烙印を押されることに疲れと苛立ちを感じています。

社会問題を深刻化させる前に

「働かざる者、食うべからず」は、為政者側に都合の良い思想として悪用することができます。経済成長の止まった社会では、多くの人達が搾取され続ける奴隷的人生に留め置かれるようになりそうです。支配的な地位に座ることが許されるのは一握りの人間だけの狭き門になるので、いつまでたってもラットレースから脱け出せないまま、心が満たされずに幸福感が感じられない人が、世の中に増殖していくことになります。

そういう観点でいくと、テレビ番組は為政者に都合の良い価値観を礼賛する仕掛けが散りばめられているように見えてきます。感動的な「下町ロケット」でさえ、そうみえてしまいます。

堂々と「働きたくない」なんて言おうものなら、"怠け者"とか"世間を舐めてる"といった非難を受けるでしょう。私の理解、知識が不十分な為、無条件なベーシックインカムの理論的根拠や実現可能性を自分の言葉で語ることは難しいものの、ベーシックインカムが導入されることで、毎日嫌な事をやって精神や肉体を病んだり、不機嫌な人生を送る人を減らす方が社会の安定と健全な秩序の維持に繋がるように思います。

もっと勉強しよう

あぁ、この思いを上手く表現出来なくてもどかしいです。再度本書や関連書を読み込んで、「無条件なベーシックインカム」という思想を深く理解していきたいです。

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