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『フェルメール』を読む

先日の上野の森美術館で鑑賞した余韻を楽しむべく復習を兼ねてこちらを読みました。

私は絵画の鑑賞眼に自信がありません。知っている技巧の名称や、絵画史や、画家情報にも偏りがあります。話題になっていたり、世界的に有名だったり、人がいいと言っているものを聞いて、美術館に行くことが殆どです。

誰か詳しい人が解説してくれているのをしっかり読んだり、聴いたりしてある程度知識の武装をしてから絵画を観ないと、その魅力を感じ取れないし、自分のことばで感想を表現することも出来ません。

なので、このようにひとりの画家の生涯や、当時の時代背景や作品が描かれた際のエピソードも交えて、丁寧に解説してくれる素人向けの解説書があると、作品の理解を深めるのに大変助かります。感性ではなく理屈を好むタイプなのだと思っています。

とはいえ、興味を持つ画の対象は、大抵自分のフィーリングや好奇心が出発点になっています。フェルメール(Johannes Vermeer 1632/10/31-1675/12/15)については、オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館に行った際に、有名な「真珠の耳飾りの少女」を観て衝撃を受けたことが興味を持つきっかけでした。

画の左右正面どこに立って眺めても、少女に真っ直ぐに見つめられている錯覚に囚われ、引き込まれていく感覚に陥りました。あれは本当に心を射抜かれた不思議な体験でした。

以来自分なりにフェルメールについて情報収集をして、更に惹かれていきました。フェルメールは寡作の画家で、現存している作品が30数点しか現存していないので、知識を頭に入れやすい画家です。また、フェルメール自身が自分に関する情報をあまり残さずに早逝していますので、ミステリアスな部分が多いのも人気の一端かと思います。

これからフェルメール展の鑑賞を予定されておられる場合は、本書に目を通してから行かれると更に味わいが増すかもしれません。

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