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『誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則』を読む

本日の読書感想文は、ジム・ドノヴァン『誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則』です。何度目かの再読になります。

生き詰まりを感じた時、読み返してきた書

著者のジム・ドノヴァン氏は、アメリカの著述家です。私が、生き詰まりや閉塞感を感じた時に読み返してきた書の一つです。本書の「はじめに」で著者が、人生に破滅したどん底状態から立ち直ったことが記されています。

私はどん底まで落ちていった。もう我慢できないレベルまで到達していた。そのとき、心の声が「こんな生活は終わりにしろ、今すぐに!」と叫んだのだ。何が転機になったのかは正確にはわからない。だが、私が耐えられないほどの心の苦痛を経験し、自殺を考えるまでに思いつめたことは確かだ。しかし私は決心した。変わるか、または死ぬかだ、と。率直に言って、あの時点の私には、どちらでも大した違いはなかった。(P4-5)

実行、行動、実践

多くの自己啓発系の本と同様、本書でも実行することの重要性を説き、行動を促すものになっています。どんなにたくさんのためになる本は読んでも、実践しなければ何の意味もない… これは全くの真理です。

改めて読み返したのは、立ちすくみ状態になっている自分を奮い立たせる目的からでした。本書に書かれている内容は平易ですし、実にシンプルです。それだけに、素直に実行できていない最近の自分には嫌悪感や幻滅感がありました。もう一度この本のパワーにすがるために、本を開きました。

102の提案

本書には、第1章から第10章まで102の「成功への提案」が収められています。一つ一つは、とてもシンプルなもので、本書でなければ出会えないようなユニークな視点の提案はないと思います。おそらく同じようなことが書かれた類書は他にも無数にあるでしょう。正直、今回は初読の時のような知的興奮はありませんでした。

ただ、この書を手にした時(2014年)、私は将来への不安とこのまま同じ生活を続けていくことへの漠然とした疑念を抱いていました。歩んできた会社員人生に疑問が生じ、価値観が揺らいでいました。「人生の目標(ゴール)を定め、計画を立てる」という提案に従って、行動してきた結果、現在があります。本書は私の人生を変えるきっかけの一つになっています。

計画が実現してしまった今、新たな目標が曖昧になってしまっていると気付きました。今の状況は私にとって居心地が良すぎて、世間の荒波にもう一度出ていく行動意欲と勇気が衰えてしまっていた気がします。本書にはちょっと怖ろしい記述もあります。

ネガティブな態度は、次のようにして私たちから可能性を永遠に奪ってしまう。かつて人生のどん底にいたとき、私は「だからどうした?」「そんなのは無駄だ」という態度を身に付けていた。どんなことをしてもこの惨めな境遇から脱け出せないと思っていた。何か自分以外のものに責任があると考えていた。どうせどん底に落ちたのだから、これ以上悪くなりようがない。だが実際は、人の堕落に限界はない。どんどん下に落ちていく。私はそれを苦痛とともに学びとった。ネガティブな態度で責任転嫁を続けていたので、私はどんどん落ちていった。(P46-47)

恐ろしくなりました。ちょっと、視点を変えて、行動を変えていく弾みにしたいと思います。

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