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フォロワー気質の私の処世術

本日のnoteでは、フォロワー気質の強い人が世の中を生き抜いていくための処世術を考えてみます。学術的・理論的にしっかりした議論ではなく、あくまでも私のふわっとした論考です。

リーダー気質/フォロワー気質

タイプとして、リーダー気質の人とフォロワー気質の人がいます。俺についてこいとビジョンを掲げて人を引っ張ることを心地良いと感じる人か、リーダーについていくことが心地良いと感じる人か、という分類です。

人は、おそらくどちらの気質も同居しています。自分がどちらのタイプかと決めつけて二分して考えてしまうときっと間違います。ただ、どちらの性向が強いか、ということは意識しておいた方が、世の中を渡っていく上でストレスが少ないと思います。

私は、フォロワー気質が勝っているタイプです。但し、リーダーに従順で献身的に尽くすことをよしとする模範的フォロワーではなく、自我が強くて自由を尊重してもらいたいフォロワーです。

✅ 自分が組織や他人を統率して目標に到達させる役割を担うこと、
✅ 他人のために自己犠牲精神を発揮すること、
✅ 組織全体の責任を背負うこと、
は気が進まないし、荷が重い、面倒臭い、と考えてしまう気質です。

● 自分の意志と腕でやりたいことをやることが許されている。
● 自分の責任の及ぶ持ち場ではきちんと義務と責任を果たしている。
● それが結果的に組織や他人のメリットになっている。
● リーダーから信頼されていて、ゆるく制御されている。
というのが私にとって最高に幸福で理想的な状況です。仕事でいえば、信頼できるリーダーから『任され、信頼され、きちんと報われている』と感じられている時が、最も気持ちよく、真価を発揮できる時だと分析しています。

リーダー/フォロワーとは役割の違い

組織やプロジェクトにおいて、リーダーとフォロワーは役割の違いに過ぎません。フォロワー気質の強い人でも、リーダーの役割を担い、立派な業績を挙げることは可能です。リーダーがフォロワーより能力的に優れているから、人間的に優れているから、リーダーが務まるわけでもありません。

リーダー的気質の強さやリーダーの向き不向きは、実際にリーダーの役割を担ってみて初めて明らかになる場合もあります。リーダーをやったことがない人が、リーダー論を語っても説得力に欠けます。私が、自分自身を「フォロワー気質が強い」と自覚しているのも、小規模な組織ながらリーダー的な役割を担った経験があるからだと思います。

役割としてのリーダー/フォロワーの両方をバランスよく体験してみるのがいいように思います。

会社員に求められるフォロワー能力

会社員人生は、通常フォロワーからスタートします。(私の経験した会社特有かもしれませんが…)フォロワー的な役割をこなせないとリーダー的役割には登用されないようになっています。リーダーシップが求められる仕事を担えるかの選抜競争をクリアしないとリーダーの地位は回ってきません。

リーダー的気質が強い人の中には、フォロワー的な仕事が向いていない人もいます。自尊心が強く、包容力があり、人の上に立てば実力を発揮できそうな素質を持ちながらも、フォロワー的能力が欠如しているがゆえに、組織では浮いてしまい、チャンスを与えられずに燻り続ける悲劇も起こります。会社員をやる限り、どんなに出世しようとフォロワー的能力は必要です。

リーダーの役割をことさらに強調する人の言い分は注意深く聞く必要があります。組織のリーダー的地位にいる人が、優れたリーダーとは限りません。支えるフォロワー達の功績やその時の環境で求められる結果を出せている場合も少なくありません。

私はフォロワー気質が強いくせに、人間的に尊敬できないリーダー、自分を見下してマウントしてくるリーダー、俺が俺がでフォロワーを自分の駒のように扱うリーダーの下で働くことには我慢がなりません。そのような性格で、28年半も会社員を務められたのは幸運でした。

万人の幸せを考慮して

リーダーが磨かないといけない能力、持っておかなければならない資質が備わっていないように見えるフォロワー気質の強い人がリーダーのポジションに鎮座した結果、うまくいく場合もありますが、組織が混乱したり、ぎくしゃくしたりする場合が少なくありません。

チャンスがあれば、臆せずにリーダーに挑戦したらいいと思います。予期していなかったリーダーの魅力/辛さを味わうのも一興です。

ただ、フォロワー気質が強いと自覚した人は、万人の幸せを考慮して、
● 自分が苦痛に感じる程の責任が重くのしかかる役割は担わない、
● 長い時間はその地位に留まらない、
● その地位が快適と感じられる場合は潮時と考える、
を意識しておいた方がいいと思います。

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