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『あり金は全部使え』を読む

夕方からの会議に向けて久しぶりの新幹線で大阪に向かっています。前の会議が予定より長引いて慌てましたが、辛うじて間に合いました。駅のホームを駆け上がったりして消耗した体調を整えるのに、しばらく時間がかかりました。

さて、新幹線の車内は、機内よりも読書に適した環境だと思っているので、スマホよりも本を手にすることが多いのですが、今回の旅のお供は、堀江貴文『あり金は全部使え』です。

ホリエモンこと、堀江貴文氏の本は、毎月のように続々と新刊が出ています。こんなに量産されていても、どの本屋でも山積み状態なのは、単純に、『売れるから』というのがその理由なのでしょう。

続けざまに本を出すのは、自分が儲けたいからではなくて、周囲に集まってくる仲間を儲けさせることが目的なのかもしれません。気の合う仲間と協力して、興味があることを楽しんでお金を生み出している(実際は違うのでしょうが)イメージが非常に強い。

本が売れるのは、今、どんなテーマであれ、堀江氏の語る言葉であれば、傾聴に値すると考える人が多いからです。堀江氏の考え方や生き方に影響を受ける人は、最近急速に増えているように感じます。現代日本社会への影響力が絶大なインフルエンサーの一人です。

私も、堀江氏がライブドア社長、カリスマ経営者として華々しく表舞台に登場した頃から興味があり、憧れを持って注目してきた人物です。世間の評価は、窮屈で不合理な社会のしきたりを小馬鹿にしたように、自分流に合理的に振る舞う姿には、共感と反感が相半ばしていたように思います。今もそうでしょう。

逮捕された時は、『日本という国は目障りな発言や振る舞いをするというだけで、才能溢れる経営者を潰す社会なんだ』というのが率直な感想でした。やり過ぎてしまった、ということかもしれません。

服役後に復活してからの活躍は、日本中に広く知れ渡っている通りで、基本的に彼は何も変わっていないのだと思います。"ホリエモン"は、最早完全に確立されたブランドと言っていいでしょう。

この本は、お金の使い方に焦点を当てた本で、読者のターゲットは20〜30代の野心的なビジネスパーソンでしょうか。他の本同様、これまで常識的と考えられてきたが、よく考えると理不尽なことに、論理的にダメ出ししている。その理由には説得力があります。

新しい情報や視点もまぶされていて、常に自分をアップデートさせているのだな、と確認出来ます。ホリエモンフォロワーは、本書はそのあたりの位置を定点観察する為に読んでおく本だなと感じます。

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