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【物語】愛されているうさぎのお話


もちもちとした白い毛並みが特徴の、愛されているうさぎがいました。名前は「ふわふわ」。ふわふわは森の中の小さな家に住んでいました。

ある日、ふわふわは森の仲間たちとお茶会を開くことにしました。みんなが楽しい時間を過ごせるように、ふわふわは一生懸命に準備をしました。甘いスイーツやおいしい紅茶を用意し、家を飾り付けます。

お茶会の日がやってきて、森の仲間たちは次々とやってきました。みんな笑顔で楽しい時間を過ごし、ふわふわの心温まるおもてなしに感激しました。

ところが、お茶会の最中に急に天気が崩れ、大雨が降り出してしまいました。

「あれ!?天気予報は晴れだったのに…」

驚いたふわふわは、思わず外に飛び出しました。

ふわふわが雨空を眺めていると、どんよりとした灰色の雲の中から、もくもくと生き物のような形が現れ出しました。そしてそれは、ふわふわのもとに降りてきました。それは雨雲が生命を持ったかのような存在でした。

その不思議な雨雲は、ふわふわに近づきました。そして愛情を込めて抱きついてきました。

瞬間、ふわふわの毛が、雨でびしょびしょに濡れ、ばさばさなってしまいました。見た目が全然違ってしまいました。もうふわふわじゃなくて、ばさばさです。

驚いた仲間たちが声をかけると、ふわふわは振り返り、恥ずかしそうに笑顔を見せました。

「うふふ、雨雲が愛して抱きついてくれたせいで、毛がこんなになっちゃいました」

仲間たちは呆気にとられて驚きました。

「でも、雨雲も仲間になってくれたんだよ」

仲間たちは、雨雲がふわふわを愛して仲間になったことを知り、感動しました。

でも、濡れてばさばさになったふわふわの姿が滑稽で、笑いを堪えることができませんでした。みんなで大笑しているうちに無性に楽しい気分になり、ついには全員、雨の中に飛び出しました。

ふわふわも仲間たちも、濡れて毛がばさばさになりました。そして雨雲と一緒に、歌ったり踊ったりしました。

ピッチャン!ピッチャン!

パシャ!パシャ!

バッシャーン!!!


雨のリズムで水たまりをはじき飛ばし、軽快なステップを踏みます。愉快な雨の音楽祭。みんなノリノリで大騒ぎです。


思う存分、楽しい時間を過ごすと、雨雲は微笑むかのように明るい色に変わり、空高く舞い上がっていきました。ふわふわと仲間たちは、雨雲とのお別れの時が来たのを知りました。

「みんな今日はありがとう。楽しかったよ〜」

高い空の向こうから、雨雲の声がうっすらと辺りに響き渡りました。そうしてすっかり姿が見えなくなると、同時に雨も止みました。


しばらくすると、大空に、美しい虹がかかりました。

仲間たちは虹の美しさに感動し、ふわふわも喜びの気持ちで見つめました。

「雨雲が愛してくれたおかげで、こんなに素敵な虹に出会えたんだね」

ふわふわは七色の虹を眺めて言いました。

「あれ?もしかして、雨雲が虹に変身したのかな?」

…どうなんでしょう?真相は分かりません。

その後、空にはキラキラのお日様が戻り、丘からは雨上がりの爽やかな風が吹いてきました。それがたまらなく気持ち良くて、みんなは芝生の上に寝転びました。ふわふわとみんなの毛は、以前よりも、もっとふわふわになりました。お日様の香りをたくさん吸い込んで、お布団のように、ふかふかになりました。


この出来事で、ふわふわと雨とみんなとの特別な絆は深まりました。ふわふわの毛がばさばさになったことも、みんなにとって特別な思い出となりました。

彼らはふわふわのお話を、代々語り継いでいきました。ふわふわの優しさと思いやりと楽しい思い出は、森の中でずっと語り継がれていきました。

そして森のみんなは、雨が降るたびに、ふわふわと雨と仲間たちとの楽しいお祭りを思い出し、たまらなく愉快な気持ちになるのです。


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