言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せを掴む方法 ③「ひふみ神歌(ひふみしんか)」
「言霊」による、開運法をご紹介しています。
神道に古来より伝わる言霊のパワーを是非、体験して下さい。
ひふみ神歌
スサノオの反乱と、アマテラスの岩戸隠れ
建速須佐之男命
前回のコラムで、伊邪那岐命が黄泉の国を訪問したときに負った穢れを祓うために、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で、「天津祝詞の太祝詞事」を唱えながら禊祓を行ったことを書きました。
左の目を洗ったときに生まれたのが天照大御神(アマテラスオオミカミ)、右の目を洗ったときに生まれたのが月読命(ツクヨミノミコト)、黄泉の国の悪臭を嗅いでしまった鼻の穢れを祓うために、鼻を洗ったときに生まれたのが建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)でした。
伊邪那岐命は天照大御神に「おまえは天上界(高天原)を治めなさい」と命じ、月読命には「おまえは夜の国を治めなさい」と命じ、さらに建速須佐之男命には「おまえは海の国を治めなさい」と命じました。
しかし、これに背いたのが建速須佐之男命です。
海の国を治めず、日々泣き喚くばかり。川や海の水も泣く涙として吸い上げられて枯れてしまうほどです。
伊邪那岐命が、どうしてそんなに泣くのかを聞くと「亡き母のいる黄泉の国に行きたいので泣いているのです」と言います。
それを聞いた伊邪那岐命は建速須佐之男命を追放し、神としての身分を剥奪するのです。
建速須佐之男命は、高天原に赴いて姉の天照大御神に会い、亡き母のいる黄泉の国へ行くことを伝えることにします。
一方の天照大御神は、建速須佐之男命が高天原にやって来ることを知りますが、その目的は高天原を奪う目的だからだと考えました。
建速須佐之男命は誤解を解くために真意を説明しますが、天照大御神は「神に誓約をして子を生み、その性別によって正邪を判断しましょう」と提案します。
天安河原
天安河原を挟んで対峙した二神。
天照大御神の吹いた息の霧(建速須佐之男命の所持していた剣を種として)からは、田心姫神(タゴリヒメノカミ)、市杵島姫神(イチキシマヒメノカミ)、湍津姫神(タギツヒメノカミ)の宗像三女神が生まれます。
建速須佐之男命の吹いた息の霧(天照大御神の所持していた玉飾りの玉を種として)からは、天之忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)、天之菩卑能命(アメノホヒノミコト)、天津日子根命(アマツヒコネノミコト)、活津日子根命(イクツヒコネノミコト)、熊野久須毘命(クマノクスビノミコト)が生まれます。
建速須佐之男命は、自分の所持していた剣を種として生まれたのが女神であるからと、一方的に勝利を宣言し、無謀な振る舞いを重ねるようになります。
これに恐れをなして、天照大御神は天岩戸(あめのいわと)を開いてこもってしまいます。
太陽神である天照大御神がお隠れになったことで、高天原も地上の世界も全て真っ暗です。このまま世界が闇に包まれたままでは、悪神が蔓延ってしまいます。
そこで天上の神々は会議を開いて策を練るのです。
このとき芸能の神である天宇受賣命(アメノウズメノミコト)が天岩戸の前で唄い踊ると、他の神々が笑い出しました。その賑やかな様子を聞いて天照大御神は岩戸から顔を出すのです。
この天照大御神の岩戸隠れに際して、天宇受賣命が唄ったのが「ヒフミ神歌」だといわれています。
清音に込められた言霊
日本語で撥音(「ん」のこと)、促音(「っ」のように詰まる音)、濁点・半濁点を使わない仮名文字を「清音」といいます。
現代では50音が一般的ですが、伝統的には47音(「いろはにほへと」で「ん」を除いた音)となります。
この「ヒフミ神歌」は、清音の47音を全て使用して構成されており、この一音一音に対応する神々が存在するといわれています。
また、最初の「ひふみよ いむなや こと」は、「一二三四 五六七八 九十」であり、神道最大の謎にして、秘宝といわれている「十種神宝(とくさのかんだから)」の一つ一つの神宝を表すものだともいわれます。
「十種神宝」については以下のコラムをご参照ください。
https://aglamedia.com/spiritual/7567
【ひふみ神歌】
ひふみよ いむなや こともちろらね
しきる ゆゐつわぬ そをたはくめか
うおゑに さりへて のます
あせえほれけ
天照大御神の岩戸隠れを解決するキッカケとなった、この「ひふみ神歌」は47の神々の神威が宿った言霊として、除災招福に霊験ありといわれています。
神の御心を鎮め、その神徳を大いに発動させる、この神咒(かじり)を是非、唱えてみてください。
参考文献
『古事記』角川ソフィア文庫
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