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読書日記*Alone Again−哀しみよこんにちは

今年最初に読み終えた本は、みこちゃん著『Alone Again』
あっという間に読み終えてしまった感があるけれど、後味がよく余韻を楽しむタイプの小説でした。

慎吾と、みゆきと、小姫が、小さな哀しい行き違いを重ねて、それぞれが光さす方へ歩いていく姿は、かっこいいし優しい。

この物語を読んでいて、ふと思い出したのが、バリ島へ一人旅に行った日のこと。誰も知らない世界へ行くことは、自由な気分になる反面、誰にも認識されないということだ。

バリには不思議なご縁があり『食べて、祈って、恋をして』の中に出てくる占いのおじいさんに占ってもらおうと探したけど、すでにお亡くなりになっていた。わたしは日本語が少しわかるというおじいさんに占っていただいた。
屋根付きの小屋のようなところに横になり、体や足の裏を押されて、こころと体を判断してもらった。医師の役目も担っているのか、少しだけ怖いというわたしの思いも納得する”教え”に、たった10分ほどの時間だったけれど、来てよかったと思っていた。

ただツアーガイドの男性と運転手の男性。
占いがメインのツアーだったから、帰りの車中は、おふたりでずっとインドネシア語かバリ語で話されていて、わたしのことは眼中にない。
わたしも空想にひたりたいから、ほっといてもらってうれしいんだけど、妙にじぶんのことをネタにされているような気分になる。
今思えば、向こうもわたしも、わからない存在に……、認識されてないことに、戸惑いと混乱の行き違いがあったのかなと思う。

『Alone Again』の世界の中は、まさにそれぞれの世界が行き違い、交差してまた違う世界になっていく。
慎吾さんがいい男で惚れました。
さすが美女2人を惚れさせる男だ。
かっこいい。
かっこいいの裏には、誰かをしあわせにしたいという気もちがいっぱい隠れていて、後味がいいんだろうなあと余韻にひたるわたしでした。





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