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読書日記

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読んだ本のこと
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#繊細さん

読書日記*死にたがりの君に贈る物語

『#読書の秋2021』の課題図書に『死にたがりの君に贈る物語』という本があって読んでみた。 知らないうちに涙が落ち、一気に読み終えた。 最初は何も情報を入れないで、ちょっと斜に構えた感想を書いてみようかと思っていたら、この作者の想いを読んでしまった。 もうただの感想は書けない。 純恋のようにファンレターを書いてみようと思う。 ただ著者が読んでくれればそれでいい。 ※下記、ファンレターですがネタバレを含みます。 綾崎隼さまへ 『死にたがりの君に贈る物語』電子書籍で読ませて

読書日記*HSP『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭 著

オードリーの若林正恭さんを、わたしは姉弟のような目線で見てしまう。たまに会うと笑って話せるんだけど、なんとなく似た者同士だし、でもあぶなっかしくて見てられないというかなんだか落ち着かない、みたいな。 その繊細なこころでよくお笑いという世界を選んだねー、と姉はすごく尊敬する。 お笑いがわからないわたしは、この本を読みながら、笑いのツボはわかったし、それがとてもうれしかった。もし一緒にその場面にいたら、同じことを考えて笑ったかなと。 この本のレビューを見ていると、みなさん「

読書日記*闇とは光とは何か『教団X』中村文則

この世界に闇はある?光はある?と、物理的なことじゃなく考えてる。人はだれも自分の中に闇があって、光を求めて生きている。光だと思って安心していると突然、闇の中へ放りこまれ、また光を探してさまよい歩く。 光があっても、それが当然になり、暗さが欲しくなり闇が忍び寄ることに、ぞくぞくする感覚を覚えてしまう。 こどもの頃、大人になりたいと願ったのは、闇を持った大人たちを真似したいからだろう。 失敗しない(負けない)ゲームは、おもしろくないから、不幸は少しずつ心に入り込み、やがてそれが

読書日記*言葉の力を知る『本日は、お日柄もよく』原田マハ

言葉は、その場の空気を一変させる。 この本は、伝説のスピーチライターの祝辞に衝撃を受けた主人公が、スピーチライターという道を選んで悩みながらも進んでいく、お仕事小説。 わたしはこの本を読んで、ますます言葉というものの力を知った。 言葉にはチカラがあって、人を感動させ、勇気を与え、生きるチカラになる。 最近のわたしは、こうやって毎日、書いている。 言葉を、組み合わせて、伝えることが難しくて、勇気がいって、でも、誰かのこころに響いてくれているかもしれないと、書く。 たぶん

読書日記*ああ面白かったと感じることが夢『ひとりずもう』さくらももこ

さくらももこさんの本は、笑いながら泣けてしまうことがある。 繊細すぎる感性で、イタく感じてしまったりかわいいと笑ってしまったり。お亡くなりになるまで、まる子ちゃんそのままのような、こどもの感性の人だったみたい。 この本はさくらさんが漫画家になるまでを書いた自伝エッセイ…なんだけどまるでまる子ちゃんが話しているような世界。笑ってしまうけれど、まっすぐでやさしい。 片想いの終わりと共に、自分自身への挑戦がやってきた。もうくだらない夢を見ている場合じゃない。まずは明日、紙とペン

読書日記*HSPおすすめ本。オタクにささげる『ハケンアニメ!』辻村深月

この本を読んでわたしは泣いた。いろんな想いが変わった。 心の奥で認められた喜びと、もっと前を向こうと思う気持ち。そしてアニメの見かたが180度ぐらい変わった。 アニメは『画面の中に流れる、音と絵の連動。主人公の表情、コスチューム、セリフ、圧倒的な視覚で”魅せる”ということ。』と辻村深月さんはいう。 ぼーっと眺めていたアニメがそこまで丁寧につくられていたなんて考えていなかった。そしてそれをつくる人のこころも考えてなかった。 ここからいつもより引用多めですが、ネタバレなしです。

読書日記*生きることは恥ずかしいこと『小泉今日子 書評集』

とつぜん告白してもなにも変わりませんが、わたしは小泉今日子さんをずっと尊敬しています。リアルタイムでずっと見てきてわたしの理想だと思える女性は、樹木希林さんと小泉今日子さん。(別格で山田詠美さま。詠美さまは神です) 共通する項目は”オトコマエ” そこらへんの男子よりずっとオトコマエでw、潔くて、 そしてなにより”じぶんを生きてる” わたしの”オトコマエ”の定義は 『だいじなものを知っていて、守る。 だいじなもののために命をかけて戦える。 だいじなもののために広い視野をもっ

HSP*おすすめの本『うつくしい人』西加奈子

他人の目を気にして、びくびくと生きている主人公が生きてる世界は、きっとわたしが感じていた世界そのままだけど、なぜかやさしい。 西加奈子さんは、画家で小説家な、繊細なこころで、言葉にならない言葉を、カタチにしてくれる人だ。 彼女たちから目を逸らそうと努力したのは、彼女たちに腹を立てている人たちの苛立ちを感じたくなかったためだ。それが自分に向けられたものでなくても、人の苛立ちを見ると、体の奥がぎゅう、と縮こまるような感覚を覚える。そして、苛立たれいる当人、ほとんどの場合彼らはそ