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今さら長崎旅~軍艦島~

両親の実家は長崎(佐世保)で、小学校の修学旅行も長崎で、ことあるごとに足を運ぶ土地。だけど、住んだことはないし、島も多くて行ったことのないエリアも多いし、よく分からない土地でもある気がする。

祖母の家への帰省ついでに、ずっと行きたかった軍艦島に行くことにした(with 父)。世界遺産であり、日本産業革命遺産であり、進撃の巨人や007のロケ地としても有名な場所。

軍艦島(端島)は明治時代、海底炭鉱が発見され、石炭発掘が開始。採掘は24時間、8時間3交代勤務で行われ、不夜城と呼ばれた。炭鉱夫たちとその家族が島に移り住み、学校や病院、娯楽など様々な施設がつくられ、ピーク時は5,000人以上が暮らしていた。1974年1月15日に閉山し、続く4月20日に全住民が島から離れ、島は無人島となる。2009年から見学・観光が開始。

軍艦島はツアーを運行している会社がいくつかあるのだが、わたしが行こうと思った日時に実施しているのは一つだけだった。

他の会社との違いは、シートによって値段が違う点と、軍艦島ミュージアムのチケットがセットになっているという点。5,000~10,000円と他社よりも高い(他社は3,000円代、早割・ネット割などもあり)。高いけど、ここしかないから申し込むだけ。あと上陸料が別途310円必要。

乗船までの時間、軍艦島デジタルミュージアムへ。

住居アパートの模型(左は現在で右側が当時)
当時の品々
軍艦島がロケ地となった映画
VRで軍艦島全域を空中散歩できる(VR初体験の父、興奮気味)
撮影スポットもある(当時の服装や進撃の巨人の衣装も)

「別に見なくてもいいな…」と思っていたけれど、入ってみたらものすごく楽しかった。これから向かう軍艦島に関しての予備知識も入れられるので、オススメ。(ツアー後も見学可能)

いよいよ午後のツアーに出発。
この日は午前中に雨が降り、午後は曇天で不安定な天気。
果たして無事に上陸できるのか?
(天候や波の高さによって出来ないことがある)

大型船ジュピターでGO

軍艦島まで1時間ほどかかる。ガイドさんが海岸沿いにある建造物を説明してくれる。驚いたのがたくさんの世界遺産(構成遺産)があるということ。造船で有名なエリアでもあり、それに付随するクレーンやドッグなどが多く認定されている。

そしてついにその姿が眼前に…!!

雨で通常よりおどろおどろしさが増してるらしい
北東側(小中学校・島最大のアパート65号棟)
北西側(生活エリア・アパートが並ぶ)
南側(炭鉱エリア)

上陸前に島をぐるっと1周し、撮影させてくれる。
料金の高いシートだと撮影しやすいデッキに行けるという特典がある。この日は人が少なかったので比較的撮影しやすかったけれど、満席だったら戦場になるかもしれない…

そして、ついに上陸!!

心躍る。

見学エリアは島の南側のみ。
この日のツアーは我々だけだったので悠々とできて良かった。
ガイドさんの指示に従って進んでいく。

◆第一見学広場◆

中央:小中学校、右:貯炭ベルトコンベアー
左:二坑口桟橋、中央:30号棟、右上:貯水槽

アンコールワットを彷彿とさせるコンクリート×緑のコントラスト。
コンクリってこんなに崩れ落ちるものなの!?って信じられないレベルで崩壊してる。この廃墟感がたまらなくいい。

◆第二見学広場◆

総合事務所だったと言うこの茶色い壁が世界遺産

炭鉱夫は勤務前、事務所に寄って、二坑口桟橋から地下の坑内に降りて行ったとのこと。その深さ約1,000m。仕事終わりは壁が壊れている空洞の場所にあったお風呂で身体を流してから家に帰ったそう。

その後ろの堤防も世界遺産
見学通路途中の仕上工場

◆第三見学広場◆

日本最古の鉄筋造アパート 30号棟

ガイドさんの写真は数年前の30号棟。だけど目の前の30号棟はかなり崩壊している。専門家によるとあと半年と言われているらしい。今見ることが出来たのはとても貴重な体験。

島にいた時間は1時間くらいだったと思う。もっともっといたかった。廃墟となっても今もなお、当時の息遣いが聞こえてくるような気がするのが不思議でならない。
あのアパートにぎゅうぎゅうに人が住んでいて、波風や嵐にしょっちゅう襲われてという過酷な環境である一方で、当時としては給料も良く、設備も整い、テレビ普及率100%という裕福な暮らしをしていた。
写真を見ると軍艦島の人たちはエネルギーに満ちていて、生活に活気が見える。その欠片のようなものがまだ細部に残っていて、我々に何かを感じさせているのかもしれない。
だけどそれは幻のようにも感じる。例えば単なる映画のセットで、架空の島をつくったと聞かされたら信じてしまうような。
それが軍艦島の魅力なのだろう。人を惹きつける所以なのだろう。

名残惜しい。
小さくなっていく軍艦島…また来るね


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