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どうやって日本語力を更に向上させるか?

当社のインドネシア人社員、イエシカさんはインドネシア第3の都市バンドンで日本語教師をしていました。今回は彼女にコラムを書いてもらいましたので、それをご覧ください。


日本語を勉強する目的は人によって違います。私が日本語を勉強しはじめたきっかけは、中学校の時に見たアニメ雑誌です。雑誌を見て、日本のアニメと漫画に興味を持って、アニメに出てくる言葉の意味を調べるようになりました。その時から日本語への興味がふくらみ、大学で日本語学科に入ったのです。

大学の日本語学科ではひらがな・カタカナや文法、ビジネスマナーまで学びましたが、授業だけでは日本語力の成長に長い時間がかかっていました。日本語学科に入るだけで日本語力が向上するわけではないと気づきました。それでは、どうすれば日本語力を向上させられるのか。ここにいくつかの方法をまとめてみました。

1. 日本語力を向上させる方法は人によって違うと思いますが、一番重要なことは日本語を勉強する目的を探すことだと思います。目的があるかないかで、日本語を勉強するプロセスが順調に進むかどうか、違ってきます。ゼロから日本語を勉強する場合、ひらがな・カタカナから勉強するので飽きてしまう人もいますが、目的があればやる気が出ると思います。
例えば、日本で働きたいという目的があるとすれば、4ヵ月で日本語のレベルをゼロからN3まで伸ばすことができます。逆に日本語を勉強する目的がなかったら、N3レベルに辿り着くまでに、8か月から1年間ぐらいの時間がかかってしまいます。私は日本のドラマとアニメと漫画が好きです。ですから、ドラマとアニメと漫画が日本語で分かるようになりたくて、日本語を勉強し始めました。最初は字幕やフリガナを見て、わからない単語があったら、意味を調べました。それから、だんだん字幕やフリガナを見なくてもわかるようになっていきました。

2. 次に、日本語を勉強する時間を決めます。暇なときに日本語を勉強するより、決めた時間に勉強したほうが更に上達していきます。どうしてかというと、暇な時だけ勉強していたら、それは後回しになりがちで意欲も下がっていきます。また、忙しいときや気分が悪いときなどには言い訳してしまい、勉強しません。逆に決めた時間に勉強するなら、自ら責任感を持って、日本語力を上達させることができます。例えば、毎日一時間だけでも日本語を勉強すれば、長い目でみるとかなりの違いが見られるようになります。また、例えば月曜日は漢字の勉強、水曜日は文法の勉強など、曜日によって勉強する項目を決めてもよいのです。

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3. 目的と時間を決めた後に、自分に合う勉強方法を探します。
A. 一番重要なのは使える日本語の言葉を増やすことですが、日本語の言葉が覚えられる方法は人によって違います。例えば、書くことで言葉を覚える人はたくさん日本語の言葉を書いたほうがいいと思います。言葉だけではなく漢字の練習も、どんどん書いたほうがすぐに覚えられると思います。そのほかには、より多くの日本の記事や漫画などを読むことです。最初は漢字や分からない言葉がたくさんあって辛いと思いますが、少しずつ慣れていけば、だんだん楽になります。

B. 文法の勉強について、私の経験上、文法と例文、そして自分の母国語で文法の意味を書くと、文法の使い方がもっと理解しやすいと思います。例えば、「~通じて」の意味を探し、例文をメモしておけば、いつか同じ状況で使えるようになります。

C. 聴解(リスニング)を学ぶことが一番楽だと思います。日本語を学ぶほとんどの人が日本のアニメや音楽などが好きです。ですから、アニメが好きな人はアニメで聴解を学び、日本の音楽が好きな人は音楽から日本語を学んだほうがいいと思います。

D. 日本ではなく、自分の国で日本語を勉強する人は、会話の練習があまりできないと思います。私も国で日本語を勉強していた時に、日本語で会話するチャンスがあまりなくて、会話力が伸びませんでした。対策の方法はいくつかあります。一つ目は真似すること。例えばアニメやドラマを見たあとで、主人公が言った言葉を真似します。そうすると発音と聴解力も伸ばせます。そして、今の時代はアプリやSNSがありますから、日本人や同じ日本語を勉強している人と友達になることができます。

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4. 最後に最も重要なことは復習することです。どこのレベルまで勉強しても、復習しなかったら、すぐに忘れると思います。言語は6ヶ月間あまり使わず、復習していない場合、勉強してきたことを忘れてしまうのです。

『何のために日本語を勉強するのか?』という目的をしっかり定めて、期間を考え、そして勉強する時間にコミットし、実行しつづければ、日本語力を向上させることができると思います。



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