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恨みや怒りの下に隠れている悲しみ

 同じ恨み言を何度も言う人を思い浮かべてみてください。
 その人が問題なのは、自分を憐れみすぎているところではありません。その人が自己愛にまったく満たされていないことです。
 その自己憐憫の下には、とても大きな怒りがあり、さらにその下には、非常に大きな悲しみが隠れているのです。本人がその悲しみを受け止める勇気を持ち、自分がいかに大変だったかを感じ、自身に共感するようになれば、同じ話を幾度となくする必要はなくなります。

イルセ・サン(2016)『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』p.209,ディスカヴァー・トゥエンティワン

数日前、私の怒りの下にある悲しみを受け止める試みをしてみました。

出てきたのは、うつ病の一番辛くて苦しい時期に、一人で生活するしかなかった強烈な孤独感や寂しさの記憶でした。

実家で療養しなくて良かったとは思います。
却って悪化しかねない状況でしたから。
それは今も変わりません。

でも、寂しかった。辛かった。
一緒に暮らさないにしても、苦しい状態の私に少しでも寄り添ってくれるだけの余裕が家族の誰か一人にだけでもあったら。

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満たされなかった悲しみを自分で受け止めてあげたら、苦しい時間を耐え抜いた自分を「よく頑張ったね」って心から称えてあげたくなりました。

そして冒頭の一節を思い出しました。

囚われて抜け出せない恨みや怒りの感情も、その下にある悲しみも、自分がじっくり感じて受け止めてあげることで手放していける。

それを実感できる体験でした。

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