おそるべし、メディアミックス――かくて私も『三体』にハマる その1
【*下記は11月3日に書いたものです】
話題のSF超大作としてもう何年も気にはなっていて、でも三部作(しかも2作目と3作目は上下巻)と長いし、訳書が出てから4年経っても全然文庫版にならないし、中国小説は人名の漢字が馴染みが無くて難しそうという先入観もあって、なかなか手を出せずにいた『三体』。
でもWOWOWで中国で制作された連続ドラマが放送されると知り、せっかくなのでこの機会につまみ食いしてみよう、と録画してみた。どうせ本を読まないなら、せめて映像で知っておこう、と。ところがこれが1作目だけで全30話の大作で、10月初めに10話一挙放送、それから翌月に10話、翌々月に10話、というスケジュール。
でも最初の1話を見てなかなか面白い!と思い、1.5倍速であっと言う間に10話見てしまいました。そうなると、1カ月後が待ち遠しい。しかたがない、ここはもう本を読むしかない!と、単行本ではなくKindleで1作目を読み始めました。
ところが、小説の方は冒頭部分がドラマと全く違う。最初の数章はある人物(主人公ではない)の遠い過去の話がずっと綴られていて、その後に、現代に生きる主人公の話が始まる。ドラマは現代の主人公の話が冒頭に来ていて、遠い過去の出来事は断片的にはさまれるものの、詳細はよくわからない。しかも、ドラマの10話あたりでようやくこの別人物の過去の話が始まるのだけど、ドラマ10話の終りの時点よりも、小説の最初の数章はうんと先まで描いている。
感覚的には、小説を読み始めたことで、冒頭から、ドラマの(まだ見ていない部分の)ネタバレを食らってしまった感じ(笑)
…小説をかなり忠実にドラマ化したということだけど、こんなふうに構成も筋書きもエピソードも登場人物も微妙に違うみたいで、実はかなりこんがらがっている。
…というところに、明日からの2日間で次の10話の放映がある。いっそ小説(今半分ぐらいまで来た)を読み終えてから観る方がいいのか、いや、観てからまた小説に戻るべきか…? (いずれにしても今はあまり時間的余裕がないけど💦)
ともかく、長くなりましたが、私が言いたかったのは、まんまとハマりましたよ、という話です。このメディアミックスに。そしてWOWOWの戦術に。
(「その2」に続く)
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