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子どもの話を聞けない夫が変わった話

先日の平日の朝、朝食を食べながら小六の息子が夫に行った。
「ねぇ、ipadの制限時間を長くして欲しいんだけど。」

今息子のipadの制限時間は2時間。今まで必要な時だけ夫に言って、その都度長くしてもらっていたけれど、元々の設定を長くして欲しいらしい。

夫が言う。
「時間を長くして何がしたいの?
ゲームばっかりしていても、ゲームを作る人にはなれないよ?
ゲームしていても何かを作ることにはつながらないからね?
ゲームを作る人にはなれないぜ?
どう思う?」

息子は無言でトイレに行き、そのまま30分ほど出てこなかった。
出てきた頃には学校へ行くギリギリの時間。
「大丈夫?お腹痛い?」
と尋ねても「いや、別に」。目が赤い。

いつもは5分ほどで食べてしまう山盛りの丼ご飯も、半分残っていたので、おにぎりにして持たせた。

さっきの夫の喋り方、一見息子に訪ねている風だけど、一方的に話しているだけだったな。
息子は一言も、ゲームを作る人になりたい、って言って無いしな。
しかも夫は普段語尾に「ぜ」って付けることはなく、
「ぜ」を付けるのは義父が、何か自分の知識をもとに説得したい時のクセ。
IFS的に考えると、夫、自分の中の、何かのパーツ(過去の痛みを負った副人格)に乗っ取られてしゃべっていたんだろうなー。
夫は、子供の頃、ゲームをする時間を制限されていたのだろうか?

息子が出かけてから夫が、
「真、お腹痛かったのかなー」
と呑気にしているので
「お腹痛かったんじゃないと思う。トイレ出た後目赤くしていたよ。」
と伝えたら
「え、そっか…そんなに嫌だったかな…」
となんだかしょんぼりしている。

「さっきのパパ、真の話を聞かずに、一方的に話しているように感じたよ。
語尾に『ぜ』って付けたり、なんかあなたのお父さんみたいで、
なんだかいつものパパじゃないみたいだった。」

と伝えたら、

「それ、その時に言ってよ…自分じゃ分からないから」

あ、そうなの?私も、その渦中には伝えづらいんだけど、伝えてもいいんだね。

「真、親が言うことを嫌だと思っても、内に秘めて反抗しないタイプの人だから、こっちから話を聞いてあげた方がいいんじゃないかなぁ。
ちなみに、パパ自身も子供のころ、ゲームの時間を制限されていたの?」

「そうじゃなくて、ゲームの時間に制限とか特に無かったから、逆にやりすぎちゃって
もっと勉強すればよかった、っていう反省があるんだよね。」

あーなるほど…。
俺も制限されてたから、息子にも制限しなくちゃ、じゃなくて、
彼の中の、ゲームやりすぎだと失敗だと感じているパーツが、彼を動かしていたんだなー。


そんなことがあった、次の日の朝いちばん、夫が息子に

「昨日はごめんねぇ。パパ、一方的にしゃべっちゃって…
ipadで何をしたかったの?」

「ゲームの他にも色々やりたいんだよね。2時間だとゲーム以外のことができなくて。」

「分かった、それじゃあ時間伸ばそうか。」

あら、今度はよく聞かずにすぐにOKしちゃうのね?とも思ったけれど、

昨日の今日ですぐこのコミュニケーションが取れる、夫すごいわーと思った。


そして、一番、わー、と密かに心が震えたのは、
父である彼が息子に素直に謝って、彼の願いを叶えようとしていること。

私は自分の父が、家族に、誰かに、謝っているのを見たことがない。

私の父は一方的に自分の意見を伝えるだけの人、嫌なことがあったらキレる人だった。
(父と会話した記憶はあるけれど、「話を聞いてもらった」という記憶はない)

私も、父にキレられるのが嫌だから、反抗しないでやり過ごす・または対抗してガチギレ、で反応してきた。

なので、親子感で、伝えられなかったコミュニケーションがあっても、
後でごめんねー、って言って、またコミュニケーションが取れる、
という風景を見て、
本当に、めちゃめちゃ嬉しかった。

そして、この数年、人の内面のこと、メンタルモデルやIFSを学んできて、
この人の中に、どんな痛みがあるのか、興味を持つこと。
自分の中にあることを伝えること。
それができるようになって、本当に良かったなーーーーー。

と思い、家の中に小さな革命が起きたな、と感じたのでした。

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