見出し画像

難民支援NPOでの1日@ロンドン #5

今、金曜日の21:00。コグマは横たわってゲームをしている。

そんなに働いてないが、金曜日夜は一番ほっとする。きっと来年の今頃は全然違う金曜日を過ごしているだろうから、記録のために今日1日を振り返ってみたい。

***

起床。残念ながら月のものがきていることを知る。お腹が痛い。朝のルーティーンの1つ、筋トレをすることを諦める。10時までは自分のルーティーンをしたり、BBCを見たりする。

10時からNPOのメールを見始める。ロックダウン前、オフィスが空いている時も10時出勤だった。昨日木曜日は、私は電話サポートの日で、(難民メンバーに電話をして、雑談しつつ何か困ったことないか、食糧のデリバリー等の必要がないか等を聞く日)結果報告をケースワーカーにメールしてたので、それを受けて今後やることのメールがやってくる。ロックダウン以後、二週間に一度難民のメンバー宛にニュースレターを作っているのだが、今週はスージーが編集担当で、私に日本の詩を入れたらどうかと言ってくるので、谷川俊太郎の「生きる」英訳版を発見し、東北の美しい写真と共にドラフトに貼り付ける。

11時、ケースワーカーのキャットとチェックインミーティング。彼女は他の団体のポリシーオフィサーをしながら、うちの団体のガーデニングボランティアをしていたのだが(難民メンバーと庭でものを植えたりする)、もっとメンバーと関わるような仕事がしたいと、産休で欠員が出たケースワーカーに応募、先々週から働きはじめたばかりである。ロックダウン以後、私は以前やっていた団体のファンドレイジングやアドミン業務から、ケースワーカーのサポートが100%になって、難民メンバーの生活全般のあれやこれや(個人向けの貧困救済助成金・奨学金等のアプリケーションを書いたり、メンバーが医者にかかるためのサポートしたり、教育の機会を見つけてきたり、他の団体に繋いだり等々)をしている。キャットは、今の業務で困ったことがないか、何か要望はないか等々を聞いてくる。今までもそういうミーティングはあったけど、記録は残してこなかったから、これからは残すようになるという。私は、彼女が1日の終わりに、私が残しているgoogle docのメモに必ずリプライをよこしてくれることに感謝している旨を伝える(今までそれをちゃんとやってくれるケースワーカーはいなかった)。困っていること、の1つとして私が電話サポートしているPについてあげる。話し合った結果、私がPについて電話でアクション起こす予定だったのを、彼女に引き取ってもらうことにした。

12時、昼ごはんを作り始める。今日は昨日のキムチチゲの残りと卵焼きにする。腹痛なので簡単に(通常は一週間の献立通りにするのだが、今日は特別)。

ご飯を食べていると、同じボランティアのカミラから、来週予定していた私とのキャッチアップミーティングを今日したいという。私とカミラは定期的にキャッチアップミーティングをしていて、今のお互いのボランティアタスクについて等々話す時間を設けている。気づきも色々あり、非常に有意義である。

多分昨日ダイレクターから直に電話あった件だな、と思って14時30分にミーティングをセットする。

13時、片付けも終え、今日のタスクの続きをする。数人のメンバーのdestitution grantsと呼ばれる、個人向け助成金のアプリケーション作成である。一人一人の過去のグラント応募の履歴を見ながら、今どのグラントが応募可能か、要件にそったものを探してきて、アプリケーションを作成する。団体のデータベースで最近の難民申請の状況や臨床心理士のメモ等々を見ながら、一人一人のアプリケーションを作っていく。それと、今日はオンラインデリバリーの日(これはロックダウン以後の新しい仕事)なので、メンバーに連絡をとりつつデリバリーを手配しないといけない。

14時半、カミラとミーティング。早速、昨日ダイレクターから電話あったでしょ、と聞いてみる。昨日、突然ダイレクターから連絡があり、1日だけのケースワーカーポジションに応募しないかと言われたのである。今度、セラピーグループをもう1つ増やすに伴って、今のケースワーカー2人では足りないから1日だけ有償で増やそうと思うのだと。ついては、今回はオフィシャルに募集をかけないで、ずっとボランティアしているマリコかカミラにしようと思うんだけど、興味ある?でも帰るんだっけ?と聞かれたのである。私は、来週月曜日に帰国内命があるかもしれないから、優先すべきはカミラだと答えた。カミラが、今のキャットのポジションに応募していたのは知ってたから彼女に経験を積んでもらいたいし、私は本当に、もう帰るのだ。

私の答えを受けて、ダイレクターは今朝カミラに電話してきたらしい。カミラはすごく嬉しそうだ。イタリアでは難民支援サポートの仕事をしていたが、2年前にイギリスにやってきてからNPOセクターの有償のポジションにはまだたどり着いていない。イギリスではこうやってボランティアで経験を積まないとNPOの有償の仕事にはありつけない。競争が激しいのだ。その他、今のうちの団体の問題等の意見交換をする。

16時、難民メンバー数人とスタッフとのzoom でのコミュニティーギャザリング。ロックダウン前は金曜日は特別な日だったのだ。ガーデンで難民メンバーがメインシェフとなってディナーを作るのを手伝いつつ、ガーデンでお茶を飲んで話したり、ガーデニングしたり。冬は焚火を囲みながら出来上がったご飯を食べて、誰かの誕生日があればケーキでお祝いした。それができなくなり、うちの団体はファンドをとって中古のパソコンを買いメンバーに配って、6月からはセラピーグループを再開し、夏からコミュニティーギャザリングをそれぞれオンラインではじめたのである。

最近どう?の挨拶がひとしきり終わった後に、ダイレクターがガーデンでの懐かしい映像を流したり、難民メンバーの一人がおすすめのアラブの音楽を流してくれて、それをみんなで聞く。メンバーの一人はロックダウン中に生まれた赤ちゃんも連れて参加してたので、赤ちゃんの最近の様子を皆で質問したりする。

17時、ギャザリングが終わって、私は急いでデリバリーの手配をする。鬼門はパンパース・サイズ8である。普通のサイズじゃないらしく、在庫あると言われてオーダーしているのに、結局在庫がなく、アマゾンで注文するも、そこも在庫なく・・と酷い目に前回あった。なんとかパンパース等のオーダーを終え、難民メンバーに電話する。

18時、とりあえず今日は終了。ケースワーカーにメールを入れて、データベースに業務履歴を残す。こぐまに夕飯を作って、風呂入りながら吉本ばななを読もう。最近の癒しの時間は風呂での吉本ばななである。キンドルを落とさないように気をつけないといけない。あとは、BBCでも見て、読みかけのJust Giving(副題はPhilanthropy Is Failing Democracy and How It Can Do Better)も読み進められるだろうか。Just Giving についてはどこかで触れられたら・・

Day5終わり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?