結婚式のスピーチ、口達者よりも大切なこと
友人の結婚式でスピーチを頼まれたとき、いったい何が一番大切なのか。
新郎新婦を褒めちぎることか、参列者に新郎新婦の人となりを紹介してあげる、もしくは新しい一面を話すことか、はたまた会場の笑いをとることなのか・・・
私がこれまでに結婚式の友人代表スピーチを3回引きうけて考えたことをこのnoteに書きます。スピーチを任されて内容に悩んでいる人に届きますように。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
私が初めてスピーチを頼まれたのは4年前。 社会人になって2年目の年で、周りの友人がちらほら結婚をしはじめたときでした。新郎新婦と私は3人で仲が良かったので、スピーチを頼んでもらえて。とても光栄でやる気満々でしたが、自身が参列する初めての結婚式と重なったこともあり、ただならぬプレッシャーを感じていました。
手始めにインターネットのスピーチ関連の記事を読みあさり、ひたすら新郎新婦とのエピソードを思い起こしました。原田マハさんの小説「本日は、お日柄もよく」も参考にしたっけ。新郎新婦ふたりの共通の友人が参列者の大半を占める予定だったので、その人たちが知らない目新しいエピソードを話した方がいいのかな?と考えもして、なかなかまとまりませんでした。
それでもなんとか原稿を仕上げ、友人Kに頼んで新郎新婦と交友関係のない第三者の立場からスピーチをみてもらうことにしました。どうもしっくりこなかったのです。
ハッとさせられました。そうか、私は余計なことを考えすぎていたんだ。
結婚式のスピーチで最も大切なこと。それは、等身大の言葉で、ありったけの「おめでとう!」の気持ちを新郎新婦に伝えることじゃないか。新郎新婦と私の間、私たちのありのままの関係性の延長線上に、このスピーチがあったらいいな。私は書いた原稿をまるまるゼロに戻して考え直しました。
新郎新婦と私の関係性・・・3人で会っているときは、それぞれが話したいときに話したいことを話す、という感じ。私は2人が仲睦まじく言い合いする様子をみて、「あ、今日もやってるな」と安心するのでした。そうか、これをこのまま伝えちゃえばいいんだ。3人でいるときの何気ない会話をそのまま再現することで、自然体なおめでとうを伝えられる気がしたんです。
本番は足が震えるほど緊張しましたが、スピーチを聞いていつもどおりの優しいほほえみを浮かべる新郎新婦に、温かい会場のムード、私はあふれんばかりの幸福感に包まれました。
そのあと2回のスピーチも、内容に迷ったときは必ずこの原点に立ち返るようにしました。
いま新型コロナウイルスの影響で、結婚式を延期したり、挙げられない人が増えています。私もそのうちのひとりでした。どんなにつらい世の中でも、おめでたいことは声を大にして祝福を伝えたい。その気持ちを代表して新郎新婦へスピーチできることに感謝し、心をこめて「おめでとう」の言葉を紡ごう。
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