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コスモスの想い:2021年9月14日(コスモスの日)

家の周りを散歩すると、マレーシアの国花であるハイビスカスやプルメリア、ブーゲンビリアといった南国の花々を見ることができる。

朝晩は涼しいけれど、毎日昼間の時間帯は気温が30℃以上になるマレーシア。日本のように四季がないので大体1年中同じ花が咲く。

9月14日はコスモスの日。ホワイトデーから半年後にあたる日で、プレゼントにコスモスを添えて交換し、愛を確かめ合う記念日だそうだ。

コスモスといえば、山口百恵さんが歌う「秋桜」が頭の中で流れてくる。
嫁いでいく女性の心情と母への想いを歌った名曲だ。

実はコスモスはメキシコが原産の外来種の花。

古代ギリシャの哲学者ピタゴラスが「秩序ある調和のとれたシステム」を宇宙(コスモス)と定義し、コスモスの花を見た人がその整然とした秩序だった姿から、その花をコスモスと名付けた。

そして日本では、昭和52年に発表された山口百恵さんの「秋桜」の歌から、「秋桜(あきざくら)」は「コスモス」と読まれるようになり、今ではすっかり一般化している。
パソコンで「コスモス」と打つと「秋桜」と変換がすぐに出てくるが、確かに「秋」を「こす」、「桜」を「もす」とは読まない。

コスモスの花言葉は「愛情」や「真心」。
恋人同士の日とされている今日だけど、山口百恵さんのしっとりとした歌声を朝から聴きながら母を想った。

日本にいる母は、きっと今の時間は朝の涼しいうちにと言って、家の周りの草引きをしたり、猫の三毛ちゃんがご飯をせがむのをたしなめたりしているだろう。

風に揺れるコスモスの花の細い茎は、今にも折れそうなようで折れず、8枚の整然と並んだ花びらとともに美しい。

淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜りに揺れている

コスモスの花と母の姿が重なった。

コスモスの花は、外来種ということもあり性質はいたって丈夫で、細い茎は折れてしまっても、またそこから根を伸ばして花を咲かせる。

明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ 心配いらないと笑った

山口百恵さんの「秋桜」の歌。
秋の情景を思い浮かべながら、コスモスの花のように美しく、強くあれるから大丈夫だ、という母から娘への想いに涙がこぼれた。

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