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「ホームランというのは準備したことがちゃんとできてるだけの話。」:2021年9月3日(ホームラン記念日)

学生時代から15年以上を過ごした街である福岡といえばソフトバンクホークスだ。

「地元のプロ野球チームがない県」出身の私にとっては、同級生の博多っ子たちが「今日はホークス見に行くばい!」「ムネリンかっこよか~」という話題に最初はついていけず、少し寂しい思いをしていた。

社会人になってから福岡でお世話になった2つの会社では「応援グッズを通勤カバンに仕込み、仕事帰りにホークス戦に行く」人がどちらでも複数人いたし、私自身もそんな職場の人に連れられて会社帰りのホークス観戦に繰り出していた。

もともとそれほど野球好きでもない私だったけど、福岡で働き暮らしていた間は何となくホークスのことは応援していたし、何より優勝すると街を上げてのセールになるのが楽しみだった。

9月3日はホームラン記念日。1977年、後楽園球場で巨人の王貞治選手が通算756号ホームランを打ち、それまでアメリカ大リーグのハンク・アーロンが持っていた世界最高記録を更新した日だ。

私は正直を言うと、プロ野球、プロスポーツにそれほど興味がない

でも、福岡で友人や会社の仲間と行くホークス戦は好きだった。

福岡ドームでホークス戦がある日、大学の先輩がドームの中の客席でハーゲンダッツを売るバイトをしていたので、友人と一緒に先輩からアイスを買って観戦した。なぜかドームの中で食べるいつもより高いハーゲンダッツは美味しかった。

社会人になってから、「ホークスおじさん」と呼ばれていた会社の先輩は、ホークス戦の日は定時前からソワソワしはじめ、終業のチャイムが鳴ると応援グッズとレプリカユニフォームの入ったカバンを抱えて飛び出していった。

自分が試合を観に行かなくてもホークス戦がある日の福岡の街は、何となくみんな楽しそうで、そんな雰囲気が好きだった。


ホームラン記念日に王貞治さんのこんな言葉を見つけた。

ホームランというのは準備したことがちゃんとできてるだけの話。

王貞治さんがホームラン王と呼ばれるまでの努力の一言では片づけられないほどの修練、そして決して驕らないという強い気持ちのあらわれた言葉だ。

福岡で過ごした学生時代や初めての職場のことを思い出していると、特に学生時代に「あの時もっと準備していれば」と、今思うこともある。

王貞治さんの力強い言葉に出会ったホームラン記念日、私の残りの人生のホームランの準備は明日からではなく、今日の今からだ。

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