「制服が邪魔をする」

わたしはいま転職活動中だ。

AKB48も、アナウンサーも、どちらも私の出せるエネルギーすべてを注いでいた。

傍からみたら、両方とも華々しい世界だろう。

15歳から23歳までAKB48のメンバーとして活動し「青春」のすべてを捧げた。AKB48という存在は、わたしに多くの試練と輝きを与えてくれた。わたしにとってかけがえのない時間だし、メンバーはいまも大切な仲間である。がむしゃらに、ひたむきに、アイドルとして走り続けた。

AKB48卒業後、わたしはアナウンサーになった。

晴れて社会人となったのだ。すると、まず装いが変わった。AKB48ではいかに自分の個性を売り出すかが勝負だったが、アナウンサーでは黒子に徹した。

アイドルを卒業し、社会人になったから、堂々とクラブで踊れる!と思い、友達と行ったならば、会社の先輩に引きづり出されたことも。女子アナクラブ禁止条例。

話をAKB48に戻すが、AKB48には「恋愛禁止」という掟がある。歌のタイトルにも使われた。でも、秋葉原の劇場で恋愛の歌を歌っていた。「歌詞の意味をきちんと考えてから歌いなさい」といわれたこともある。女子高生のわたしなりにかみ砕いて歌っていたつもりだ。わたしに限らず、何も知らない少女が大人びた歌詞を歌い、踊る。それこそ、AKB48の魅力の一つなのかもしれない。女の子の成長過程を目の当たりにすることができる。現にわたしは15歳から23歳の8年間をAKB48で過ごした。応援してくださるファンの方とともに、年齢を重ねた。

高校生のわたしには歌詞の意味を理解することが難しかった。でも、いまはすこしわかる気がする。

「制服が邪魔をする」AKB48にはこんなタイトルの楽曲がある。

制服が邪魔をする
もっと 自由に愛されたいの
どこかへ連れて行って
知らない世界の向こう

制服は制約を作る。
その代わりに、守ってもくれる。

この「制服が邪魔をする」の歌詞がいま、わたしにはグッとクる。

制服=肩書き?

わたしは、それぞれの制服を一旦クローゼットにしまった。
しかし、たまに着たくなる。
というか気が付くと着ている。

AKB48、アナウンサーという制服をどう扱えばよいのか。
制服を着ると、自動的に起動する思考回路。それに違和感を覚えた。


制服が自分を作り上げるわけじゃない。

あるべき姿なんてない。
(…と思いたいけれど、周りの反応を気にしてしまうし、嫌われたくない。わたしはそんなに強くない。)


わたしは中村麻里子として、自分自身の人生を経営していく。

自室より

素直に喜びます。単純にやる気がグーーンと出ます。だって人間だもの。というより、ページをスクロールしてここまで最後まで読んでくれてありがとうございます!