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第九@みなとみらい

今年もいろんなコンサートに足を運んでオトナの時間を楽しんだ。自分でチケットを取るのはクラッシックピアノがほとんどで、ごきげんパパ♡はポップスからジャズ、オーケストラやミュージカルと守備範囲が広い。ちょっとミーハー気味。

行きたいのもあるしそれほど気が進まないのもあるのだけれどなんでも2枚買うので大抵お相伴する。クリスマスにちなんで第九取ったと言われてとっさにオケはちょっと私のキャパを超えてるんだけど、と食わず嫌いのような反応をしてしまった。音が多すぎて耳がついていかない。

しかも合唱がついてくる。喜びの歌…サビしか知らない。とにかく会場に着いていくと指揮者が小林研一郎さんとわかって俄かに興奮する私。え、一度は生で聴きたいと思っていたのよ!

第一部のパイプオルガンのバッハもよかった。ピアニストならお家でも練習できるけどパイプオルガンは毎日どこで練習すればいいのかしら、などと素朴な疑問を抱きつつ美しいオルガニスト・石丸由佳さんのお姿とともに音色を楽しんだ。日本のクリスマスもやっぱりバッハとベートーベンなんだな、何百年経っても。

そしていよいよ楽しみにしていた第二部。思ったより小柄だけどエネルギッシュで演奏者一人一人に向かって細やかな目配りをなさりながらの指揮をなさるコバケンさん。ハンガリーでは知らない人のいないマエストロという。この夏初めて旅行したブダペストの光景が思い浮かぶ。

第4楽章に入る時、ソリストの方々が入場された。小川栞菜さん、山下牧子さん、錦織健さん、青戸知さん。楽器ももちろん難しいけれど声楽の難しさはそれ以上とも言われる。力強いベートーベンの曲に必要な声量はどれだけ?艶やかで磨き抜かれたお声に圧倒された。合唱の皆さんも素晴らしく、聖夜にふさわしい喜びに満ちていた。

演奏終了後、小林さんはすべてのミュージシャンを褒めたえてステージを歩き回って肘と肘を合わせて労われた。皆さんの表情が達成感で明るく輝いていた。最後に大指揮者からのマイクでのご挨拶がさらに印象に残った。

「スポンサーの方のお支えがあって音楽家は生活の心配なく演奏できる」

意訳すればそのようなことをおっしゃって会場は温かい笑いに包まれた。かのコバケンさんが、全員のことを思って愛と勇気のある発言。

ピアノを習っている身としてプロの音楽家になる道のりがどれほど険しいか少しはわかる。皆さん天賦の才能に恵まれた上に音楽をどれほど愛していらっしゃることだろう。志を持って選んだ道で、特にコロナでコンサートができない期間はどれほどご苦労されたことかと胸が痛む。

クラッシックのコンサートに行くと聴衆も高齢化していると思うことがあるけれど最近はショパンコンクールの影響などで若手のピアニストも注目されてファン層も若返ってきているようだ。生の音楽はその日その時その場でしか共有できないのが魅力。引き続き出来るだけ聴きに行きたい。

すでに来年も3回分のピアノコンサートのチケットを取って今から楽しみにしている。

今日はクリスマスの日曜日ですね。皆様も良い一日をお過ごしください。


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