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【富士登山のお土産】ガラクタと宝物の境目

ウユニ塩湖で高山病にこてんばんにやられた私は富士登山を早い段階で諦めた。

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標高4000メートルの世界の苦しさを二度と味わいたくないので、富士山は下から拝むのみにとどめている。そこに娘が挑むというので若さの無謀さをまぶしく感じつつ祈りとともに送り出した。

聞くところによると五合目までは新宿からバスが出ていて、山小屋はたくさんあってまだ予約が取れるところを押さえて頂上を目指した日はたまたま晴れていたらしい。午後三時に7合目を過ぎたところにある山小屋に到着して仮眠してから11時半に頂上を目指して再度歩き始めご来光を待ったそう。

持たせた酸素缶に手を出したらおしまいと思ったというくらい苦しみながら登頂に成功して、筋肉痛とも戦いながら通常の倍くらいの時間をかけて下山したという。女子のグループはほぼなくて、男女か男の人同士で来ていることが多かったとの情報。やはり若者でにぎわっているようだった。

行きのバス停で買った上の写真にある焼き印のついた杖のようなものの名称を私は知らない。それは1500円くらいで販売されているけれど通過するたびに御朱印のように焼き印を集めて登って行ったらしい。印してもらう度に500円だかを支払うのでトータル8000円くらい投資したようだ。

週末、その棒とともに凱旋帰宅した娘はほかの家族が敬遠している富士登山を完遂させて得意満面。自分がこの世を去るときに棺にともに入れてほしいほどの思い入れがあるらしい。それほど苦労したのだろう。残念ながら私がお先に失礼する予定なのでほかの人に頼むことね、その用件は。

隣の部屋からふと現れた夫はその焼き印の棒を見るや、それこそ仕分けされて捨てる対象になるものだと言わんばかりの表情。ひどい、それはあまりにひどい。やっぱり思い出というのは実際に体験した人にのみ宿るものなのですね。写真にしても同じことで、その場に居合わせた人だけに許される共有する感慨というものがあるのだとよくわかった。

その棒は岩場を上るときには結構お荷物になったらしくて、一緒に行った同僚が預かってくれたとか。甘えん坊の娘のお世話をしてくださったお仲間に感謝しかない。

私にも登れると思う?

と聞いてみたところ一泊二日では無理だけど二泊三日くらい余裕を持って行けば何とかなるんじゃない?との答え。吊り橋を渡れない高所恐怖症の私にも登れるのか、高山に弱い私に耐えられるのか。いやいややっぱり富士山を望む近隣の低い山登りに留めておくことにしよう。

ちょうどいまテレビで富士山の噴火のことを取り上げている。もしやりたいことがあれば先送りにせず、入念な準備はして、実行に移した方がよいのだろうと思われる。

今日はこちらは涼しくて過ごしやすい秋の休日です。皆様もどうぞよい一日をお過ごしください。

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