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どんな年齢でもOK! 『年齢を超えて楽しめる絵本』

ご無沙汰しています。
今年本厄の女、児童書コンシェルジュの川向です。
(早めに厄落としに行こうと思っています!)

みなさん、絵本には対象年齢があると思いますか?

私は答えは「No」だと思っています。
子どもの成長具合は、一人ひとり異なるし、
その子が「楽しい」と思えるなら、
どんな絵本を読んだっていいと思います。
(大人だって、絵本を楽しんでいいように!)

しかし、年齢によって楽しめる絵本の傾向があるのも事実
難しすぎると楽しめない子もいるし、
簡単すぎるとつまらなくて飽きてしまう子もいます。
そのため、年齢が違う複数の子どもたちへの読み聞かせは大変です。

そこで今回は、
どんな年齢でもOK!な『年齢を超えて楽しめる絵本』
をご紹介したいと思います。
ご兄弟がいらっしゃるご家庭の方や、読み聞かせのボランティアなどで
色んな年齢の子どもたちに絵本を読む機会のある方などの
お役に立てるような情報をお届け致します!


★『やさいさん』作:tuperatupera(学研)


0~3歳向け、と表記されているように
内容は、「いないいないばあ」のようなシンプルなもの。
土の中にいるお野菜はだれかな?と予想して、
「すっぽ~ん!」と軽快な音とともに野菜が土からぬけて
ネタ晴らしをするというサイクルを繰り返します。

小さい子は「いないいないばあ」のような内容と
言葉のリズムを楽しみ、
少し大きい子たちは、次はどのお野菜がでてくるのかというクイズを
毎回楽しんでくれます。

読み聞かせ会などで読む際には、1番はじめに読むのをおススメします!
みんなが盛り上がってくれる絵本なので、場がとても温まり、
次の絵本も聞いてくれやすくなりますよ!
少し小さ目サイズの絵本なのですが、大型サイズも販売しています。
大人数の前で読みたい場合は、ぜひそちらもチェックしてみてください。

☆読み聞かせポイント
・デフォルメされている絵ですが、しっかりと実物と同じように葉っぱなど
 描かれているので、より年齢層の高い子に読む場合は、
 「この葉っぱは、どの野菜の葉っぱかな?」と聞いたり、
 あとで図鑑などと見比べてみるのもGood!


★『うたのすきなねこ ララとルル』作:松田奈那子(風濤社)

プレゼントにもすごくおススメな1冊です。
歌の好きな双子の猫「ララとルル」のなんでもない日常を描いた絵本なのですが、二匹の1日には歌がいっぱい!
読み聞かせをしながら歌も楽しめる、一度で二度美味しい絵本です!

【収録曲】全11曲
・「ことりのうた」
・「ぶんぶんぶん」
・「チューリップ」
・「うさぎのダンス」
・「おべんとう」
・「かたつむり」
・「かえるのがっしょう」
・「うみ」
・「ゆうやけこやけ」
・「きらきらぼし」
・「ゆりかごのうた」

誰もが知っているような童謡ばかりなので、子どもたちも一緒に口ずさみながら、読み聞かせに参加してくれます。

歌であれば、小さい子も一緒に楽しめるので
幅広い年齢にヒットする絵本です。

絵本の最後は「ゆりかごのうた」を歌って眠って終わるので、
意外と寝かしつけ絵本としても、優秀な1冊です!

☆読み聞かせポイント
・絵本を読む前に「せーのって言ったら、一緒に歌ってね」と
 子どもに声をかけておいて、歌が出てくるたびに「せーの」と合図する。


★『コッケモーモー』作: ジュリエット・ダラス=コンテ 
 絵: アリソン・バートレット 訳: たなか あきこ(徳間書店)

「コッケコーッコー」じゃなくて「コッケモーモー」な時点で
楽しい絵本だということを、子どもたちは感じ取ってくれ、
タイトルを言っただけで笑ってくれることも多い1冊です。

自分の鳴き方を忘れてしまったオンドリが、何とか思い出そうと奮闘します。
でも、口から出てくるのは「コッケモーモー」「コッケブーブー」「コッケメーメー」など、頓珍漢な鳴き声ばかり。
なかなか思い出すことができません。
その度に、牛や豚や羊に「違うでしょ」と言われてしまうのですが、
もちろん子どもたちからも「違うよ~」と笑いながら突っ込みが入ります。

文章もそこまで多くなくシンプルな上に、楽しい擬音がたくさん出てくるので、小さい子でも飽きずに最後まで読むことができます。
また、海外の絵本なのでサイズが少し大きめなため、複数人に読み聞かせするにはぴったりの1冊です!

☆読み聞かせポイント
・読み手もオンドリと一緒になって鳴き声を忘れてしまったふりをする。
 (「あれ?コッケモーモーで合っているんだっけ?」など、
  子どもたちに声かけしてみてもGood!)


★『しんごうきピコリ』作:ザ・キャビンカンパニー(あかね書房)

信号機に、もし色んな色があったら?
という「もしも」の絵本なのですが、とにかく楽しい1冊です。

最初の「赤・青・黄色」までは、きちんと交通ルールの通りを説明していて勉強にもなるのに、急に「水色」や「緑」「紫」なんて色になっていって、道路はもう大変!!!

「この色はどうなっちゃうの!?」と予想しながらページをめくるドキドキと、「もし本当にこんなことが起こったら楽しい!」と子どもの心をわくわくさせるストーリー展開。
この絵本を読んだ後は、いつもの道にある信号を見かけるたびに、
「もし違う色になったらどうする?」と楽しい会話が生まれるかもしれません。

また、「この色はどうなる?」という繰り返しの絵本なので、小さいお子さんも一緒に楽しめる内容になっています!
(昔話などでも使われる手法。繰り返すことで、理解しやすくなる&同じ展開なので、子どもたちは安心して聞くことができる。)

信号機や交通ルールに興味を持ってほしい!というときにも
おススメの1冊です。

☆読み聞かせポイント
・絵本に出てこない色について
「この色だったら、どんなことが起こると思う?」などの声かけをする。


★『まいごのたまご』 作:アレックス・ラティマー
翻訳: 聞かせ屋。けいたろう(KADOKAWA)

子どもたちは恐竜が大好き!
かわいらしいタッチと鮮やかな色合いなのに、恐竜好きもしっかり満足させるくらい、たくさんの種類の恐竜が出てくる絵本です。

コロンっと巣から落ちて、迷子になってしまった『たまご』が主人公のこのお話。
『たまご』は出会う恐竜たちに「もしかしてぼく、あなたのたまごですか?」と聞いて回りますが、みんなに違うと言われてしまいます。
途方に暮れて泣き出してしまう『たまご』
お父さんお母さんの元に、無事に帰れるのでしょうか?
そして、いったい誰のたまごだったのでしょうか?
この2つの「?」が子どもたちの心をしっかり掴み離さないので、きちんと最後まで飽きずに読み聞かせに集中してくれます。

読み聞かせのプロ・保育士である
『聞かせ屋。けいたろう(https://kadobun.jp/feature/interview/112.html)』さんが翻訳を手掛けたこともあり、言葉のリズムが秀逸で、小さい子でも歌を聞くように絵本を楽しむことができます。

そのけいたろうさんが、「KADOKAWA児童図書チャンネル」というYoutubeチャンネルにて、この絵本について歌や読み聞かせをしています。こちらもお時間がある際にぜひ見てみてください♪

☆読み聞かせポイント
・絵本の23ページを灯りにかざすとたまごの部分の紙が透けて、たまごの親の正体がわかるため、ページをめくる前に灯りにかざす。



いかがでしたでしょうか?

どの絵本も、私が読み聞かせをする際には大変お世話になっているものばかりで、傍にいてくれるととても心強い存在です。
複数の本を読む読み聞かせ会で「子どもたちが飽きてきたな……」というときには、さっとこの本を入れ込んで場を盛り上げて次の絵本に行くというのが、私の必勝パターンです。
ですので、
・絵本に対してあまり集中が続かない子に読みたい
・読み聞かせの場で、盛り上がる絵本を探している

という方たちにも、ぜひ手に取ってみてほしいラインナップになっています。
すごく読み聞かせしやすい本ばかりですので、読み聞かせ初心者の方にもおススメです!

最後に。

どんな絵本をどんな年齢で読んだって、楽しんで読んでいるならそれでいいと個人的には思っています。
それが結果的には「読書は楽しいもの」という認識に変わっていき、読書好きな子に育っていくのではないでしょうか。
ぜひ、まずは親子で絵本を楽しんでみてください!

次回は少し主旨を変えて、
『大人にこそ届けたい。グッとくる絵本』をお届けしたいと思います。
お楽しみに!

#絵本 #絵本選び #子育て #教育 #本好き

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