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【フリーランス】仕事のとり方【アナウンサー体験談】

フリーランスになって大変なのは【仕事のとり方】

仕事ができる方だったからフリーランスになったのに、いざ独立したら仕事がとれず他業種のアルバイトをしながら生計を立てる。

副業をもっと頑張って脱サラしたいけど、副業が思うようにはかどらない。

これって結局セルフプロデュースが甘いのかもしれません。

今日は【仕事のとり方】をテーマにフリーランスの私の体験談を書いていきます。

この先、長文です!!

読むのが面倒な方のために結論を要約しておきます。

・セルフプロデュースしましょう
・SNSなどのメディアに戦略的に露出し続けましょう
・仕事の受付窓口はネット以外ではここに作るといい
・収入源は必ず分散させましょう


それでは〜、スタート!

1.露出が多いほど営業はスムーズ

私の本業はフリーのアナウンサーです。

※ここから先の話は、今現在の話ではなくフリーになってから仕事をセーブするまでの間のお話です。

フリーになってから収入が少ないことを理由に、全く関係のない他業種のアルバイトをしたことはありません。

リポーター、司会、ナレーションなど数あるアナウンサー業の中でもしたい仕事だけを選んで、収入に余裕のある生活をしてきました。

フリーになってから事務所に所属したことはありません。

マージンを取られるのが嫌(笑)なのと、地元にいる限り自分で仕事をとれる自信があったからです。

その自信の背景には、

1)会社員の時からレギュラー出演していた番組があり、独立後もレギュラー出演が約束されていたしその収入はそこそこ大きい見込みだった

2)父親が広告代理店の社長

という大きなバックボーンがありました。

「その時点でフリーランス勝ち組だよね」と思われるかもしれませんね。

そう思った方いますか? 

その考え方、すごく甘くて危険ですよ。

今持っているものにぶら下がるのではなく、これを一つの営業資料として次の仕事に繋げるのです。

フリーランスは立ち止まってはいけない、走り続けないといけない不安定な職種なのです。

ご自身の職業に置き換えて想像してみてください。

ここから営業努力をしないで天狗になっているとあっという間に奈落の底です。

だっていつ番組が打ち切りになるかわからないし、いつ番組を降板させられるかわからないですから。

私の代わりなんて沢山いるんです。

ギャラだってもしかしたら下げられるかもしれません。

何が起こるかわからないのです。

たった一つ約束されたレギュラーの仕事があったところで、例えその収入がそこそこ大きかったとしてもそれだけに頼ってしまってはとても危険なのです。

どの職種のフリーランスにもこれは当てはまりますよ。

さてフリーになって最初に考えたのは「自分をどう見せるか」です。

これってつまりセルフプロデュースのこと。

最初にしたセルフプロデュースは、同業の親友と二人で地域密着型のブログを開設したことです。

ブログ開設を仕事関係に知られると、


「アナウンサーではなくブロガーという肩書きで見られて恥ずかしくないのか?」

「ブロガーとしてメディアに取り上げられるなんて、アナウンサーとしてのプライドはないの?」

「ブログ?私生活晒して恥ずかしくないの?」

なんて言われました。

当時のその地域でのブログ発信はそんなイメージだったみたい。

その評価はのちに大きく変わりましたが。

そのブログでは地域のさまざまな情報や魅力などを無償で発信していきました。

地域貢献。

地元が大好きだったので、地元を盛り上げたい自分たちの気持ちをブログに込めました。

当時ちょっとだけ若かった女子二人のブログは更新頻度もハイテンションだったこともあり、あっという間に人気が出ました。

私たちのブログはランキング1位が長らく続き、その後殿堂入りしました。

もちろん戦略があってのことですが、それはまた別の機会に。

ブログ運営では個人的な私益よりも地域のためを考えていました。

信用を得ることを重視していたので、
「お金を払うのでブログにこの情報を載せてもらえませんか?」
という広告色しか出ないものは全てお断りして(俗にいうPR案件ですね)、あくまで自分たちのペースで更新していきました。

その結果、ブログから沢山の仕事に繋がりました。

ブログ繋がりでいただいた仕事の様子はなるべくブログにアップして還元していきました。

今思うとご当地インフルエンサーの先駆けです。

テレビで露出し、露出を増やすためにブログで発信をする。

テレビに出演するのとブログで発信するのとの違いは、演出をディレクターではなく自分で出来るということ。

でもメリットは大きくは同じ。

「繰り返しメディアに露出すること」は信用につながるということ。

照準を合わせて発信(露出)して周知してもらうことは最大の営業につながります。

何度も同じ顔を見ていると親近感が湧き、そこから「この人になら」と信用がうまれるようです。

よくわからない人となんとなく信用がある人ならば、なんとなくでも信用のある人に仕事を頼みますよね。

今はいろんなSNSなどがあり、誰もがさまざまな形で発信を出来ます。

闇雲に発信するのではなく、ターゲット層に届く発信をしてみるといいと思います。

もしまだ適当なSNS更新しかしていないというのならば、メディア発信というセルフプロデュースを戦略的にしてみてください。

2.発信すると仕事につながる

営業をする前に、相手が【自分のことを知っている】か、それとも【自分のことを知らない】かで、驚くほど仕事につながるスピードが違います。

ブログの次に行ったのは、広告代理店の社長だった父に、仕事をまわしてくれそうな広告代理店の情報を聞き出したことです。

ご挨拶しにいくために。

「何かあったらお声がけくださいね」と名刺を渡しました。

たいていの方はテレビかブログで私のことを知っていてくれていたので、「いつも見てるよ」から始まりました。

広告代理店に営業することは、自分の仕事の受付窓口を増やすことにも繋がります。

なぜならばアナウンサーの需要があるイベント運営やCM・番組制作には、広告代理店が関わっていることが多いからです。

「あの人に仕事を任せたいけれど連絡先がわからなくて」
とクライアントが代理店に相談した時、
「ああ、あの人の連絡先なら知ってるよ」
と答えてくださったり、
「誰か司会者を紹介してくれないかな?」
とクライアントが代理店に相談したときに
「あの人なら紹介できますよ」
とおっしゃってくださったりするととてもありがたいですよね。

例えホームページ、ブログ、Facebook、そのほかのSNSを精力的に発信してそこから仕事の依頼を受ける態勢を万全に整えていたとしても、残念ながらそれらwebページからアクションを起こさないクライアント候補も沢山いるわけです。

だからこそ受付窓口になってもらえる生身の業者(私の場合は広告代理店)に挨拶をして名刺交換しておくのは大切なことなのです。


3.フリーランスの落とし穴

フリーランスになるとわかると思いますが、甘く見ると致命的になる落とし穴があります。

それは、【一つの大きな収入源に頼ってはいけない】ということ。

仕事のメインになっている番組があったとしても、それがいつ降板させられるか、いつ番組自体が打ち切りになってしまうかわからないのです。

明日の保証がないのです。

そのため、安定した収入を得られるレギュラー番組を常に複数持っておく必要がありました。

私の場合は、

・テレビ
・ラジオ

の複数のレギュラー番組を定期的な収入源としておさえ、
土日に

・イベント司会

夜と空いた時間に

・ナレーション

をしていました。

CMナレーションは特定の制作会社で1日に何本も収録することがざらにありました。

特に当時の地方テレビCMは動画ではなくフィリップという静止画のCMが沢山あり、ナレーション需要はそこそこありました。

その中には地元のテレビ局で流れるものも複数ありました。

これではCMナレーションが私の声だらけになってしまうとのことで、声色をかえて読んだり加工してもらったりして工夫しながら毎晩のように大量にこなしました。

ナレーションの発注は広告代理店よりも制作会社からくる方が圧倒的に多いです。

制作会社の中でも誰か1人と懇意にしておけば優先的に仕事を回してもらえます。

私は午前中以外(寝起きは声の出が悪い)ならいつでも、もちろん深夜遅くでもナレーション対応しますよ!というフッ軽スタンスで、大量のナレーションを収録していました。

フリーランスでやる場合、一つからの収入源だけでは心もとないので収入源は分散させておくべきです。

特に一つの事業所からいただく金額が大きければ大きいほど、同程度の収入が得られるレギュラーの仕事を持っておかないと仕事が打ち切られてしまった時が大変です。


4.自分自身の値段


営業することで一番大変だったのは【ギャラの交渉】です。

商品があれば簡単です。

これはこういうこだわりのものを使って作った便利な商品なので、このお値段です。

と自信を持って言えます。

しかし事務所に所属しないフリーアナウンサーの場合、自分自身がその商品。

そしてそのセールストークをしないといけない営業マンも自分自身。

いかに商品である自分に能力や価値があるかを金額というはっきりとした数字で伝えなくてはいけないのです。

自分が用意していた見積もりよりも安い金額を提示された場合、交渉することがあります。

なぜこの金額が必要なのかをあらゆる角度から説明して納得してもらいます。

この時ばかりは頭の先から爪先までじっくり見られて査定されている気分になったこともありました。

とはいえ大抵相場は決まっています。

例えばイベント司会なら◯万円など。

でも中には「そちらに合わせます」とか「おいくらでされていますか?」と聞かれることもあります。

一番悩んだのは自衛隊から話が来た時です。

よくタレントがしている「一日署長」があるじゃないですか。

それの自衛隊バージョンの話がきたのです。

「いくらでもいいですよ。
あなたの金額を言ってください。」

司会をするわけでもない。

ナレーションを読むわけでもない。

公の場で発する言葉はたった一言、開会の宣言だけ。

それ以外はおつきの自衛官の方とともにイベントを見るだけ。

自衛隊の制服を着てタスキをかけて。

もちろんそれ以前に、自分の出ている番組やブログなどで広報活動は行います。

イベントを盛り上げるのが使命なのですから。

私はこの仕事をどうしてもとりたかったので金額は悩みました。

なぜならこの時、私の他にも候補者がいたからです。

彼らがどんな金額を出してくるのか知る余地もありません。

結局金額は、大きくもなく小さくもない金額を提示しました。

特に番組をレギュラーで出演する時には最初に交渉した値段が何年も続くので安売りはできませんし、かといって「その値段だとちょっと」とひかれるような金額も言えません。

自分に値段をつけてその価格で交渉するというのは、今でも緊張します。

交渉の目安として、どのくらいのキャリアの同業者がどのくらいの金額でしているか、を知っておくと金額は出しやすいかもしれません。

5.フリーランスの仕事の取り方まとめ


・ターゲット層を明確に意識して、ターゲットに届く発信を行う

・発信(露出)して周知してもらうことは最大の営業

・自分以外の仕事の受付窓口を増やしておく

・収入源は一つに頼らず分散させる

・金額交渉する際は、事前に相場と周囲の人の金額をリサーチしておく


おまけ

「露出」を辞書で調べてみると、決して「メディアに出演すること」とは書いてありません。
俗語のようなものなのか業界用語なのか。


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