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変な感じ(カウンセリングルームを開業した個人的な話10)

※カウンセリングルームの経営に役立つ普遍的な話は、個人的な話の後に書く予定です。
※この記事は目次に沿って書いています。

前回は、仕事でいよいよキャパオーバー気味になり、上司の一言で心の糸がプツンと切れたところまで書きました。

そう、それまでは、一応頑張れていたのです。頑張ろうと思う自分がいたのです。

でも、その日から世界は一変しました。
自分の中にあった、「できる」という感覚が無くなっていきました(自己効力感というものらしいです)。

ある休みの日、シャワーを浴びて休日出勤しようとしていた時でした。

シャワーを浴びながら、今日までにあの書類を作らなきゃ、そして、あれもこれも……と考えて、身支度をしている時でした。
頭が変になりそうな感覚を覚えたのです。
後に「不安焦燥感」という言葉に当てはまることを知ります。
文字に書くと、「不安」で焦っている気持ちなんだねーと理解できるかもしれませんが、生易しいものではありませんでした。

叫びだしそうな、誰か、誰か、と助けを求めなくては冷静でいられない、そんな状況に陥りました。

聞いてくれそうな心当たりのある友人に、片端から電話をかけました。
休日の昼間にたまたま繋がった少し古い友人が、話を聞いてくれました。
どう説明したかは覚えていませんが、とにかく仕事が大変で、困っているということを泣いて訴えました。
相手は、「ひとつ、ひとつだよ」と答えてくれました。
その言葉にすがるように、気持ちを落ち着けて、重い体を引きずってなんとかその日はアパートのドアを出て行ったのでした。

その辺りから、なんだか世界というものが違う感じになりました。

残業が厳しくなってから、夜中に部屋に戻ると、あとは寝るだけなのですが、ほんの少しの「自分時間」に冷たい牛乳を飲むのが習慣でした。
今思うと、理に叶っているのかもしれません。
アルコールなどよりも、体が欲していたのか、「美味しい……」と感じていました。
そして、お気に入りのテーブルの前で、窓を見つめます。窓にはこれも自分で気に入って買ったエメラルドグリーンのブラインドがかかっています。

今でも、そのブラインドを目の前に見ながら、降りてきた感覚が鮮明に思い出されます。

怖い。
世界は、180度、変わってしまった。
違う、私は今まで裏側から物事を見ていて、こっちが本当だったんだ。
みんな、こっちの本当の世界に気づかないようにするために、ごまかすために楽しいフリをして生きている。
私は、気がついてしまった。
世界には、意味なんかないってことに。

その頃から、仕事に行くことが酷く億劫になりました。
ほどなくして、風船がはじけるように症状が決定的になりました。

ある朝、目が覚めると、私は号泣しました。
朝一番で、まだ、何も出来事が起きていないのに、しゃくりあげるほどの泣き方でした。
これは、おかしい。

とにかく仕事には行けそうにもないので、職場に休むことを連絡しなくてはなりません。
ベッドから電話まで、歩いて5、6歩の距離のはずです。

その距離を進むのに、とても時間がかかりました。
何故なのか?
説明できません。
とにかく、電話が遠いのです。

経験した方はお察しかもしれませんが、動くエネルギーが枯渇しているこの状態は、歯磨きもお風呂も、動き出すことがとても大変なのですね。
なんとか、職場には連絡して、それから親しい人の助けを借りて、病院に行くことにしました。
全く知識がありませんでしたが、通勤経路にあった病院の看板を思い出しました。そこには窓に「ストレス」「心療内科」と貼ってありました。

続きます。


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ホスト名「まりぃ」で活動しています。プロフィールはこちらからどうぞ↑


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