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新しい小学校

ついに、新しい小学校に通う日がやってきた。

両親から正式に引越すことを教えてもらった日から、新しい小学校に通う日までの日数を、毎日数えてしまうくらい、楽しみで仕方なかった。

初めての登校日は、学年が変わる4月。始業式の日だ。

学年も一学年あがり、そのうえ新しい小学校でのスタート。

私の心は最高潮に達していた。

朝8時頃、母親と一緒に小学校に向かった。

引越しが済んでいなかったので、これから1ヶ月電車で一人で通学することになる。

これから通う新しい小学校。

一ヶ月ほどの電車通学。

初めて経験することや、一人でできることが増えたためか、なんだか大人になった気分になった。

校舎に到着するとすぐに応接室に通された。

これから、転入するにあたって様々な説明を受けるためだ。

応接室に入ると、全学年の転入生の親子が何組か座っていた。そのうち、私の学年は私を含め4人だった。

「ついに今日!これから始まる始業式で体育館の壇上に私上がるんだぁ」

「何か一言言うのかな?」

新しい友達の前に立てること、何よりも体育館の壇上という舞台に立てることがとても嬉しくて、ワクワクした気持ちが先立っては、いてもたってもいられないほど心が舞い上がる。

ところが、

始業式の段取りを聞いていると、

「今回は例年に比べて転入される生徒さんが多く、始業式でもありますので、お名前のみの紹介とさせていただきます。みなさんは壇上には上がらずに、教職員のところで始業式に参加してください」

説明をしている教員が話した言葉に、私は唖然として思わずポカーンと口を開けた。

「えっ?!壇上に上がらないの?名前の紹介のみって?!えー?!どうゆうこと?!こんなの転校生じゃないよ!普通の生徒と一緒じゃん!」

心の中で、衝撃を叫ぶ。

予想外の出来事に、一気にテンションが下がった。始業式を前に気持ちは冷め切った。

教員からの説明が終わり、付き添っていた親達は解散となり、転入生だけで、校内を案内された。

校内を案内と共に回っているとき、同じ学年に転入する子たちから、

「今日からよろしく!」

と、話かけられたが、壇上にあがれない衝撃とショックから立ち直れていない私は、素っ気なくつっけんどんな態度で、

「よろしく」

と、返事をした。

なんだか面白くないな〜。前の学校の方が居心地いいな。

不服な気持ちのまま、新しい小学校での生活が幕を開けた。





自身の経験を踏まえて、心が軽やかになる言葉や文章を発信できたらと思います。 ホッとひと息つける、憩いのページとなりますように😊 ほんの少しであっても、皆様の温かいお気持ちは大きな励みになります。