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友人に勧められた映画「プール」をみてみた感想。

こんにちは、飯田まりかこと、いーたんです。

先日、友人とタイのバンコクとチェンマイにいきました。そこで、チェンマイがロケ地の日本の映画「プール」(2009年)を知り、帰国後に鑑賞したのでその感想です。

映画「プール」とは?
タイの古都であるチェンマイで、ゲストハウスを経営する母(京子)を大学卒業時に、一人旅で日本から訪ねたのは娘の(さよ)です。

登場人物は主人公親子のほか、近所に住む日本人の菊子、従業員の市尾、市尾と一緒に暮らすタイ人の小学生であるビーの5人。

ゲストハウスでの生活を中心に6日間の人間模様を描きます。

映画を見終わった素直な感想は、次の2つです。

「誰かは誰かの理想」
「誰かは誰かの鏡」

それぞれ見ていきますね。

※以下、映画のネタバレと感想や考察があります。

さよと市尾

この二人はお互いが理想像だと思いました。

さよの母は、興味があることが見つかると、すぐに実行してしまうタイプ。映画でも家を飛び出し、子育てもそこそこにタイに来てしまいます。

このため、さよが子どもの時からもしょっちゅうどこかに行っていたのでは?と思われます。

一方、「市尾は30年近く母親と暮らしていたのに価値観が合わなかった」「離れているけど母親との距離感がいい」とさよに話しています。

このことから、さよの望む親子関係(親子が一緒に暮らす)は市尾の人生、市尾がさよと話すことで気づいたのは、さよのような親子関係(親子は離れていても程よい距離感である)が理想ではないでしょうか。

さよの人生に置き換えると、親子一緒だったとしても価値観が合わなければ辛いのでは?と考えることができます。

また、映画の後半、市尾はビーの母親を探します。母親と一緒に暮らさなかったさよにとって、ビー(自分)のために母親を探してくれる姿は羨ましいと感じたのではないでしょうか。

さよとビー

ビーは学校が終わるとゲストハウスでプール掃除などを手伝う小学生です。母親はおらず、市尾と一緒に暮らしています。

母親がいない設定のビーは、幼い頃のさよを写していると考えられます。ビーは、さよの母である京子とも仲良しです。

映画の中で京子がさよに「おばあちゃんは元気?」と聞くシーンがあります。さよは日本では、おばあちゃんに育てられていたかもしれません。

京子とビーは、おばあちゃんと孫の関係をあらわしていないでしょうか?ビーは一度も「お母さんはどこ?」とは聞いていないので、さよに置き換えると、少し強がりな一面がみえます。

菊子と京子

菊子はチェンマイ在住の日本人で、ゲストハウスにも顔を出します。家の周りではブタに餌をやったりと自由な暮らしをしています。

京子の未来の姿は菊子では、と私は思いました。日本から離れた異国で、思うままに生きる、菊子はそんな理想像をあらわしています。

さよを空港に送るのが映画のラストシーンです。ここで、お坊さんが寺へ向かうカットと、車の窓越しに菊子が見えるカットがあります。

両方とも死を連想させる要素があり、2人は異国で亡くなる気がします。自分のやりたいことをやり、異国で亡くなる、そんな暗示で映画は幕をとじます。

終わりに

映画プールは人間模様を描く、オチのない映画です。正確には、見た人それぞれがオチをつけるタイプの構成です。

映画に登場するネコのタラちゃんは2023年9月現在、生存しており、ロケ地にて会うことができました。

また、コムローイをあげるシーンでは、いつかコムローイ祭りを生で見たいな、という感想を得ました。

親子関係って、難しいけど、どこも同じように悩んでいるんだな、っていうのが伝わる映画ですね。

【プール】
監督:大森美香
キャスト:小林聡美(京子)伽奈(さよ)加瀬亮(市尾)シッティチャイ・コンピラ(ビー)もたいまさこ(菊子)ほか



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