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文豪達が過ごした場所

昨年12月に私は自由国民社さまより
『幸せに人生を終えた人から学んだこと』という本を商業出版して頂きました。


出版するということが、なかなか現実味がなく、ふわふわした感覚がずっと続いていましたが、本が発売されたら行きたいと決めていた場所が私にはありました。

そこは、
東京文京区にある根津神社です。

根津神社 表参道


東京メトロ根津駅から徒歩5分ほどの住宅街の真ん中に根津神社はあります。

宝永3年(1706)に現在地に鎮座し、1900年の歴史がある神社です。そして、江戸の大火や関東大震災、東京大空襲をもくぐり抜けたという強運の神社なのです。


私が根津神社に参拝したかった理由は、
文筆業や出版に関わる人がよく訪れるという話を聞いたからです。

そして、根津神社は文豪ゆかりの地としても知られています。

根津神社には、文豪の石と呼ばれる石があります。その石は、何と夏目漱石や森鴎外が散歩する際によく腰かけたとか。

それを聞いて、これはぜひ、座ってみたい!と、出版の祈願と兼ねて、楽しみにしていました。

できることなら、偉人達が見た景色を時代を超えて、感じてみたい。

そう思いませんか?



しかし、この日は何ともタイミングが悪く、私は念願の文豪の石の写真も撮れなかったのでした。


文豪の石


文豪の石は、ベンチ代わりの石で、2、3人が腰掛けるにちょうど適した石でした。

こちらの記事に文豪の石の写真が載っていますので、参考にしてください。

写真を見ると分かるように、文豪の石などと明確な看板など一切出ていません。
夏目漱石の名前すらありません。

ただ、そこに座れる石があるだけ。

ですから、文豪の石と知らない人からすれば、この石はただのベンチです。
ただの座りやすい石です。


私が根津神社の参拝を終え、文豪の石に向かったのは、ちょう暖かな陽射しが気持ち良い、午前11時頃でした。

数名の方々が、私の目前で文豪の石に腰掛けました。ベンチ代わりの石ですから、人が座ってなんぼの石です。順番待ちしようかと少し待ちましたが、この方々は、この石が文豪の石だと知って座ったのか分かりません。
ただ、小休憩で座ったのであれば、いつまで待てば良いのかわからない。そう心配していたら、座った方々は、目の前でカバンから美味しそうなカレーパン(コロッケ?)を取り出ました。食事休憩のために、座られた方々でした。

これは、目の前で待機していたら迷惑になってしまう。こりゃ、今回は座れないなぁと諦めて帰ろうとしたところ…
一緒に来てくれた姉が、
「ここ!座れるよ」
と、文豪の石の隅(20cmほど)に、ちょこんと腰掛け、手招きしています。

確かに、座れるけど、ランチタイムの邪魔に…と迷っていましたが、ごちゃごちゃ言ってる間に座った方がいいと決断し、姉と交代で1秒ほど石に腰掛け(というより石に触れ)、食事の邪魔にならぬよう、その場を離れました。

そんな感じで、バタバタと感慨深く感じることもなく、私はこの瞬間、文豪達と、お尻で繋がったのでした。
そう考えると、なんとも不思議な気持ちになりました。


横濱屋

根津神社の後に、いくつか目的地を経由し、最後に東京タワーへ向かいました。

神谷町駅から歩いて東京タワーへ向かう途中、足が疲れてしまいました。喉も渇き、どこかお店に寄りたいと思いましたが、その日はタイミングが悪く、ランチタイムをすぎていたため、見つける店は全てclosed!

へとへとだったので、とにかく入れる店があれば、そこで休もう!という気持ちで、歩き続けていました。

そして、東京タワーの真下まで、あと少し…という時、偶然にもある喫茶店に辿り着きました。


地下に続く階段の先に、お店がある様子でした。看板は出てるので、開店してるはず。どうか入れますように…と願いながら、店内に入りました。すると、なんとも、これまた、とても素敵な店内に、気持ちが昂りました。

とりあえず、喉が渇いていたので各々ドリンクを注文。

昼食を済ませたばかりでしたが、
私は店の入り口に貼られていたおススメメニューがどうしても、食べたくて1人だけ注文してしまいました。

それが、こちら。

タルトタタン

タルトタタンは知っていましたが、私の想像していたタルトタタンとは別物のよう。初めて見るタルトタタン。見た目は、まるで餡子のようですね。でも、口に入れれば甘さもちょうどよいシナモンが効いた味わい深いリンゴのお味。


さらにさらに、一緒に注文したコーヒーが、また美味しくて、疲れが一気に飛んでいきました。

コーヒーカップも素敵


こちらの喫茶店は『横濱屋』という純喫茶さん。注文後に知りましたが、こちらは何と、池波正太郎や高倉健ゆかりのお店だったそう。
美食家としても知られる池波正太郎さんは、この店のタルトタタンがお気に入りでよく召し上がっていたそうです。


ちなみに、池波正太郎さんは、こちらのお店のカウンターの隅の席で小説の執筆されていたとか。こんな素敵なお店で、執筆していたんですね。

地下に店の入り口がありました



そんなこんなで、この日は偶然にも、文豪ゆかりの場所を二ヶ所も巡ることができました。


自分がいる環境とは全く違う場所ですが、どちらも心地よい素敵なところでした。


皆さまも機会があれば是非訪れてみてください


読んでいただきありがとうございました✨


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