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やる気が出る目標とは?~『成長 生命の教養学Ⅸ』(慶応義塾大学教養研究センター、高桑和巳編)~

*この記事は2018年12月のブログの記事を再構成したものです。


この「生命の教養学」シリーズはすべて読んでいるのですが、9巻まで読んだ中では、多分今回が一番面白く、結果的に読了までも早かったです。教育・経済といった文系分野から、発生学や進化生物学といった理系分野まで、様々な分野の専門家が「成長」をキーワードにオムニバス形式で語った講義をまとめたものです。


どれもそれぞれ興味深かったのですが、最終的に一番心に残ったのは、奥野景介先生の「オリンピックに向けた心身の成長」の中の「最大に努力し、かつ達成の可能性が50%の目標がもっともやる気が出る」という言葉です。低すぎる目標も、高すぎる目標もダメということですね。


あと、斎藤修先生の「経済の『成長』と『進化』」の中にあった、東日本大震災で茨城県のある企業が被災した結果、日本中、そしてアメリカでも一部の自動車工場の生産が止まった、その工場には復旧のために多くのボランティアが集まったが、それは同情心だけではなく、自社の工場の生産を一刻も早く再開したいからだった、というエピソードには、経済のグローバル化の負の側面について考えさせられました。まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」、あるいはバタフライ効果というやつですね。


見出し画像は、バタフライ効果にちなみ、蝶の写真を使わせていただきました。




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