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移民・外国人を受け入れるための覚悟~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.410 2021.7.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第13弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「夏の在宅自炊指南」です。


枝元なほみさん提案のメニューはどれも美味しそうでしたが、今号でまず印象に残ったのは、「World Street News 世界短信」の中の「アジアで先駆け、外国人の参政権 市長選挙きっかけに注目集まる」です。

韓国では2005年から、永住外国人は地方選挙での投票が可能になっているそうです。「韓国籍ではなくても、住民としての義務を果たしている外国人にはそれにふさわしい権利を与える」という考えから選挙法の改正がなされたそうです。結婚移民ビザの外国人には地方参政権は付与されないなど、完璧な制度とは言えないようですが、「韓国が先に法改正をしてから、日本の在日韓国人に選挙権を付与するよう日本政府に働きかけたいという強い思いもあったといわれる」と記事にありました。

しかしその観点からだけではなく、労働力不足からこれからますます外国人労働者が増えるであろう日本としては、導入を検討しなければいけない制度だと思います。


また暗澹たる思いに駆られたのは、「ビッグイシューアイ コロナ禍、移民を追い詰める深刻な困窮」の中の、鈴木江理子さんの痛烈な指摘。

「『共生社会』や『外国人材の活用』を謳って呼び込んでおきながら、コロナ禍で真っ先に排除されているのが移民・外国人。結局、必要に応じて調整できる『労働力』としか見ていなかったことが露呈したのです」

「今の日本は『人手不足だから』と都合よく移住労働者を呼んでおいて、あとは自己責任という状態。移民・外国人を受け入れるのであれば、言語や文化が異なる人々が生活し、働くための支援や権利の保障は絶対に欠かせません」


永住外国人への地方参政権の付与以前に、ヴェトナム人技能実習生の置かれている悲惨な状況に象徴されるように、在住している外国人への基本的人権の保障すらできていないのが今の日本だと思います。移民や外国人を受け入れるための覚悟が、まったく足りていない。

かといって、困窮している外国人のために私自身が何をしているかと言えば、何も出来ていないわけですが。


毎号毎号、いろいろなことを考えさせられる雑誌です。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。



コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間の定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


ちなみに見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。恐らく発送作業をしてくださったと思われる販売者さんのお名前の部分は、念のためにモザイクをかけさせていただきました。



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