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誰かの肥やしになりますように~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.428 2022.4.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第31弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「第3の自律神経と創造性」です。


AIさんの言葉で印象的だったもの。

「子どもが生まれてから『みんな、人の子なんだな』『この人はどんな子どもだったんだろう』っていう気持ちで、周りの大人のことも見るようになったんですよね。そう考えると絶対に相手を傷つけようとは思わないし、やさしい気持ちになれる。まあ、忙しくて余裕がなくなると、ちょっと忘れかけたりもしますけど(笑)」

小川洋子さんも同じことを書いていたなぁと、思い出しました。


特集の「海を選んだ哺乳類」では、以下の記述が印象に残りました。

「プラスチック片は私が学生だった20年前から、海獣の胃から見つかっていました。消化器官を傷つけるのはもちろんですが、彼らは海面に上昇して肺呼吸をするので、そこがプラスチックで覆われたら呼吸できない」

読んでいて、自分の呼吸が苦しくなりました。


海には「風や潮流によって深海から表層へと栄養塩を運ぶ”湧昇流”という流れ」があり、プランクトンの栄養をまかなっているが、海底に沈んだプラスチックはこの流れもさまたげてしまうという。

これは知らなかったです。プラスチックの海洋汚染の影響は、想像をはるかに上回るということが分かりました。恐ろしいことです。


「沖縄では、ジュゴンが主食とするアマモが群生している辺野古で新基地の建設が進み、それも関係してか、沖縄のジュゴンは早晩絶滅するだろうと言われています」

さらっと書かれた、重い事実です。


「雨宮処凛の活動日誌」では、中国の寝そべり族について書かれていました。寝そべり族とは「結婚せず車もマンションも持たず、上昇志向とは無縁で最低限の暮らしをするというムーブメント」です。作者不明の『寝そべり主義宣言』という文書があるそうですが、そこでは「世界中のマイノリティや貧民に『我々は意図的に作られた貧しさのなかで互いに作られた貧しさのなかで互いに争うのをやめる時だ』『全世界の寝そべり主義者よ、団結せよ!』と呼びかけ」ているとか。言うまでもなく『共産党宣言』を踏まえているわけですが、これが中国で出てきたところが面白いと思いました。


「2つの未来シナリオ――2050年のある日」では、「かろうじて気温上昇を抑えた未来」を選んでも、かなり暗い未来であることに愕然としました。「気候危機への対処に失敗した未来」は言わずもがな。


もう1つ、愕然としたこと。「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員の川崎哲さんの言葉です。

「日本政府は2016年、米国のオバマ政権が進めていた”核の先制不使用政策”にも反対し、核軍縮の足を引っ張ってきました」

被爆国でありながら、何を考えているのでしょう。


映画『カモン カモン』のマイク・ミルズ監督の言葉も、心に残りました。

「人の暮らし、物語、自己表現はみな、誰かにとっての肥やしとなっていく。このメタファー(隠喩)があるから、私も書いていいと思える。誰だって、他の人の素晴らしい肥やしになれる可能性を秘めているんです」

私を含め、noteのクリエイターさんたちにとって、励まされる言葉ですね。私の書いたことが、少しでも誰かの肥やしになりますように。


今号は、いつにも増して読みごたえがあり、いろいろ考えさせられました。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。ただし今号については、2022年4月15日に次号が発売されるまでは、街角の販売者さんからのみ購入できます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん、年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった平川さん、ありがとうございます!



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