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「ビッグイシュー」は独学を手助けしてくれる~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.415 2021.9.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第18弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「やぁ 独学」です。


まず面白かったのは、「池内了の市民科学メガネ」で紹介されていた、『万葉集』中の「|芳(か)を詠む」と題した歌(巻10 2233)。山の松茸の香りを絶賛する歌なのですが、そんなゆるいとも言える歌もあるとは、何か『万葉集』が身近になります。


朝里樹さんの記事で紹介されていた現代版座敷童、「LINEわらし」にはびっくり。「子どもたちだけのLINEグループのメンバーにいつの間にか知らない子どもが混ざっている」というものだそうです。怪談も、時代に合わせてバージョンアップするんですね。


『独学大全』の読書猿さんが紹介していた、2ミニッツ・スターターには、なるほどと思いました。「タイマーを2分にセットして作業に取りかかり、2分経ったら、そのまま制限時間なしで続けるか、違う作業を2分するか、もうやめて休憩するか選択する」というものです。「”未着手”を”未完成”にする」という発想には、納得。確かに何事も、手を付けるまでが大変ですものね。


私淑という言葉も、それが孟子の言葉だということも、初めて知りました。「実際には会えない人物を師と仰ぎ、その人の情報を集め、迷った時は『師匠ならどうする?」と自問する」ことだそうです。

孔子が亡くなって100年ほど後に生まれた孟子は、会ったこともない孔子を師と仰ぎ、孔子の弟子を訪ね歩いた。孟子は会ったこともない過去の人から教えを受け継ぎ、次の人へと手渡せることを示してくれた。


人は何のために学ぶのかという質問への、「自由になるため、そして、運命から人生を取り戻すため」という読書猿さんの答えも印象的でした。遅ればせながら『独学大全』を読んでみようと思いました。


また、「世界短信」では、ロシアでこの夏、「これまでほとんど見られなかった『泥炭地火災(永久凍土など地中に堆積していた植物が燃え出し、炭素を多く排出する火災)」が起きたことも知りました。気候変動は、予想以上のスピードで進んでいるのですね。


あと、アジア太平洋戦争末期に、全国各地に49発の模擬原爆が投下されていたこと、その1発では福島の少年が命を落としていたことも初耳でした。


いつものことながら「ビッグイシュー」を読むと、それまで知らなかったことを学び、いろいろなことを考えさせられます。「ビッグイシュー」自体が、独学を手助けしてくれます。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。

ただし今号は、10月1日に次の号が発売されるまでは、街角の販売者さんからのみ購入することができます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった販売者さんのお名前の部分は、念のためにモザイクをかけさせていただきました。




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