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ライン型資本主義を目指すべきでは?~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.423 2022.1.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第26弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「冬こそ、鳥見」です。


ウォーキングをしていると、いろいろな鳥の姿を見かけるので、名前が分かればなお楽しいだろうと、前々から思っていました。かといって、帰ってから調べる気にもなかなかなれず、結局分かる鳥は増えぬまま(^-^;

そんなわけで、この特集は楽しみにしていたのですが、身近な鳥については、一日一種さんのイラストのみで、写真が載っていなかったのが、ちょっと残念でした。一日一種さんのイラスト自体は可愛く、かつ特徴もうまく捉えてはいるのですが、個人的に勝手にいろいろな鳥の写真が載っていることを期待していたもので。


他に心に残ったのは、まずは「私の分岐点」に登場した土井地博さん(ビーアット代表取締役)の言葉。

僕は”努力は夢中には勝てない”と思っています。

時間も損得も忘れて夢中になれる情熱を、忘れてはいけないなと思います。


スペシャル企画の「ザ・ビートルズ」に出てきたエピソードには、考えさせられました。ビートルズはメンバーの不仲から解散したと言われてきて、ポール本人ですらそう考えていたそうです。しかし映画監督ピーター・ジャクソンのドキュメンタリー作品『ザ・ビートルズ:Get Back』を観て、ポールは気づきます。

「世間がそういう雰囲気(ビートルズは不仲という認識)であれば、こっちもつい流されてしまうものだ。でも、心のどこかでは違うと思っていた。その証拠が必要だっただけなんだ」

世間の雰囲気により、自分の認識すら変えられてしまうことに恐ろしさを感じました。だからこそジャクソン監督のおかげで、ポールが「ビートルズで何よりも強く心に残っているのは、喜びであり笑い声だったなと実感したよ」と思えるようになって良かったなと思います。


「池内了の市民科学メガネ」の中の以下の言葉も、興味深かったです。

科学の世界では、新たなアイディアや発見を発表する科学雑誌ができる17世紀までは、手紙を書くことが研究成果の発表の手段でした。同じ手紙を数人の科学者に送り、自分が最初に発見した証拠として残そうとしたのです。日付入りの同一内容の手紙であり、独立した複数の証人がいるので信用できるというわけです。


ユヴァル・ノア・ハラリの「これから、極めて重要な”選択の10年”になる」の中の言葉も良かったです。

「ナショナリズムとは外国人を嫌うことだと言われる時もありますが、これは完全な誤解です。ナショナリズムとは、自らの同胞を愛して大切にすること。立派な愛国者として振る舞う中で、外国人と協力すべき時も多いのです」

正しい意味での愛国者でありたいです。

ハラリの『21 Lessons』についての感想は、以下の記事をご覧ください。


「浜矩子の新ストリートエコノミクス」で紹介された、ライン型資本主義の概念も印象的でした。

計画経済ではない。あくまでも、市場経済だ。だが、市場があまりにも暴力的に弱者を切り捨てようとする時、そこに政策が介入して弱き者たちに手を差し伸べる。大きめな政府・自由めな市場・強弱共生。これがライン型資本主義の3点セットだ。

日本が目指すべきは、ライン型資本主義ではないでしょうか。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった販売者さんのお名前の部分は、念のためにモザイクをかけさせていただきました。



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