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文句なしの面白さです~『のっけから失礼します』(三浦しをん)~

*この記事は、2020年10月のブログの記事を再構成したものです。


しをんさんのエッセイは、やはり文句なく面白いです。ゲラゲラ笑いつつ、するする読めてしまうのですが、途中で読み終わるのがもったいなく感じたほど。


顔を洗うのを億劫がり、極度の飛行機嫌いなしをんさんの周囲にいるのもまた、ちょっと変わった人々ばかり。筆頭はマミーポコ、別名「自由奔放な食欲魔神」のお母様でしょう(しかし川原泉のマンガで有名な「食欲魔人」ではなく、もはや魔神なのね)。


まぁ、キウイ栽培に熱中し、収穫したキウイをあちこちにぶら下げまくるお父様も、なかなかですが。とはいえ、「あとがき」の後に「巻末おまけ書き下ろし」を付ける構成にしちゃうご自分にも、魔神化の兆候を見てとるところがご愛敬。


一番笑ったのは、「弱腰ダース・ベイダー」。今もこの題名を書くだけで思い出し笑いをしてしまうくらい。読んでいる最中は、笑いすぎて咳が出て、苦しくなりました。


ちなみに本書には、梅ヶ枝餅が登場します。そんなこととは知らずに、数日前に梅ヶ枝餅を買いました。これもセレンディピティの1つでしょうか。


あ、セレンディピティについては、私のnoteの記事をご参照ください。



本題に戻って、大満足の『のっけから失礼します』ですが、唯一の傷は「い」抜き言葉の多用。「しゃべってた」とか、「思ってた」とか。会話の部分はともかく、やはり地の分では「しゃべっていた」「思っていた」にしてほしいなぁ。


ちなみにこの「い」抜き言葉、畠中恵の『猫君』でも多用されていて、気になったものです。まぁこうして「い」抜き言葉が許容されていくのでしょうけど。


ま、良いんですよ。「い」抜き言葉の傷くらい(なら書くな)。何しろ文句なく面白いのですから。次のエッセイも楽しみです。


見出し画像は、もちろん(?)梅ヶ枝餅です。




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