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「効く薬」にすがりたくなる、人間の心理~『とるとだす しゃばけシリーズ16』(畠中恵)~

*この記事は2018年11月にブログで発表した記事を再構成したものです。


毎度お馴染みの病弱な若だんなが主人公の、畠中恵の「しゃばけシリーズ」16巻です。

↑kindle版


マンネリも良いところで、若だんなの成長も感じられないため、読むのをやめようかと思いつつ、ずるずる読んでいます。ようやく最近の巻では、若だんなに変わろうという意思が出てきたし、時に良い話もあるもので。


今回のテーマは、薬です。若だんなの家は廻船問屋兼薬種問屋なので、今更という感じですが、収録されている各短編に、家族や愛する人のために効く薬を求める人々が出てきます。一部の話を除き、そんな都合のいい薬は手に入らない、という結論になるのですが、高かろうが怪しかろうが、効く薬があると聞けば、すがりたくなってしまう心理が描かれています。


このシリーズは、時代劇なのに現代社会を反映したテーマを扱うところが、恐らく賛否の分かれるところでしょう。今回はまぁ、成功していると言えるのではないでしょうか。


見出し画像は、「医食同源」ということで、ごはんの写真です(だいぶ無理がある)。


↑文庫版



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