本業をおろそかにせず、新規事業に乗り出す~『陸王』(池井戸潤)~
*この記事は2018年8月にブログで公開したものに、加筆修正を加えたものです。
ドラマ「陸王」は昨年(注:2017年)の放映時には、「面白そうだな」と思いつつ、結局観ませんでした。でもどこかで引っかかっていたので、ケーブルテレビで一挙放映した時に録画して、観てみました。
生き残りをかけてランニングシューズ作りに乗り出した老舗足袋屋の「こはぜ屋」社長の宮沢、ランナーとしての再生を目指す茂木、就活中の宮沢の息子の大地の話が交錯する物語です。
一難去ってまた一難という感じでハラハラするし、敵役のライバル会社アトランティスの上司・部下のコンビを演じるピエール瀧と小藪一豊が本当に憎たらしいし(最後には憎たらしさを通り越して、笑えたけど)、観ていて楽しいばかりではないですが、最後まで引きつけられるドラマでした。
というわけで、原作にも挑戦しました。ドラマではどうしても筋が中心になりますが、小説では登場人物の心情なども丁寧に描かれるので、これはこれで読んで良かったです。ドラマでは分からなかった裏事情も分かるというか。
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ついでに言えば、ドラマだと大地の就活の話の必然性があまり分からなかったのですが、ちゃんと本筋に絡む話だったのだと、納得。まぁ、ドラマ以上にアトランティスの二人の人間性が最悪で、ストレスが溜まりましたが(*_*; 結末を知っているからこそ、耐えられますがね。
新規事業に乗り出すことは必要だけど、本業を疎かにしてはいけない。あるいは新規事業で得たことを、本業に活かしてこそ価値がある……。「陸王」で得た技術を本業の足袋作りに活かし、「足軽大将」という新たな地下足袋のヒット商品を生み出す場面では、そんなことを考えさせられました。現在私は新規事業(?)に乗り出しているので、特にそう感じたのかもしれません。
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