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愛の確認【掌編】

「私のこと愛してる?」

そう聞かれるたびに「うん」と答える。

「私、かわいい?」

そう聞かれるたびに「うん」と答える。

「本当に、私のこと愛してる?」

僕はいつものように「うん」と答える。

彼女はいつも不安になって愛を確かめたがり、
僕はいつでも不安になった彼女の手を握る。

ただ愛の確認に応える度に、僕はだんだんと消耗していく。

彼女の不安を埋めるものが何なのか、どうも見当がつかないからだ。

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