【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう 3
町内会解散革命委員会 実行部隊「狼」です。
土曜は雨中半日立ちん坊の仕事から帰ったらわが家の玄関で三役会議が開かれていて、「あー 疲れたから、今日はもう面倒臭い話はしたくないな~」とひとり呟きながら三人(副会長Sさん、会計Aさん、つれあい)の前を横切り靴を脱いであがったのだけれど、まあ、そういうわけにもいかないので、南河生鮮市場で買った半額海鮮丼をお預けにしてしばし玄関立ち会議。
この時点の情報として、三班では町内会の脱退を考えている人が2名、そして驚きはどこから発生したの か「一班のOさんが会長を引き受けてくれた」というデマがまことしやかに三班周辺に流布していたことだ。「あれ、違うんですか?」 まさにこの都合の良い他人おまかせ丼思考が、この冴えない日本国を覆って日々南極の氷河のように崩壊させているのは、この町内会に限らない。神が降臨した(どんな神かは知らないが町内会長をやってくださる)。いい加減に目を覚ませよ、おめーら。レノンが歌ったように、「神」はおめーらの身勝手さと無責任さを測るだけの物差しだ。
金曜にわたしも会社を早退して参加した市役所総務課での質疑応答(及び、その後の情報収集など)でクリアになってきたこと。
役所側へ届け出されているかたちとして「町内会」「代表者」「連絡所」の三種があるということ。町内会としての活動があり、50世帯以上を有しているのが「町内会」。50世帯に満たないのが「代表者」。最後の「連絡所」は町内会としての活動はないが、町内会を解散した地域やマンションなどの町内会に参加していないところへ広報誌などを配布するグループの連絡先といったところ。これを前提として、町内会を解散した場合の想定される状況を以下。
土曜の玄関会議で「臨時総会」の出欠欄に設けていた「町内会を脱退」は省くことにして、それ以外はそのまま30部以上(実際は40数軒だが、活動に参加しない集合住宅や空き家などを除いた数)を印刷し、日曜の朝にさっそく配布した。基本的には各班(三班)の班長さんに依頼したが、民生委員のNさんと、今回脱退をほのめかしているような家などはわたしとつれあいで個別に持参して説明した。
すると昼食前になって近所のMさんがわが家に怒鳴り込んできた。わたしは生憎所用で(故障したエアコン修理の車が帰って来たのだがバックモニターが映らなくなったためにふたたび車屋へ)出かけていて不在でつれあいが対応したのだが、町内会解散の回覧を読んで「自治会長はいったい何をしているのか! 町内会をなくすなんて年寄りはどうなるんだ!」と怒り心頭であった。
古い三軒長屋で一人暮らしをしているMさんは植木屋や土方の日銭仕事をしている。パチンコ好きで、僧侶の資格を持っているといちど町内の葬儀の際に袈裟姿で出てきたことがあったが、どうも正式の資格ではないらしい。向かいのおなじ長屋に住んでいる一人暮らしの最近ちょっと痴呆が入ってきたおばあちゃんの世話をこまめに見ていて、つれあいの話ではじぶんの軽トラックに乗せて銭湯へも連れて行ってあげているらしい。
その風貌も併せて、わたしはひそかにわが町の高木顕明とも呼んでいるのだが、そのMさんがふたたびやってきて、「会計で何かあったんだろう! 会計を見せろ!」とつれあいに怒鳴っているときにはわたしは車屋から戻ってきて昼食の支度をしている最中だったので、玄関へ出ていって帰りかけていたMさんを呼び止めた。
「町内会を解散してどうするつもりだ! 自治会長が一軒づつ説明して回れ!」なぞと言うので、「任期が来て、だれも役員をやらないと言うんだから、逆にこっちが怒りたいくらいだ」とわたしも声を荒げて、それからMさんの肩を叩いて声のトーンを落とし、二班三班で役員を依頼した人たちが次々と町内会を脱退すると言ってきていること、だから今回は、 町内会がなくなったらこんなになるんだぞと脅しのつもりもある、これを見てあわててくれたらそれが好都合と説明をしたら、Mさんは「そういうことか~」と笑顔を見せて、最後は「総会は出席しますわ」と手を振りながら帰っていったのだった。
そのあとすぐにまたわが家のチャイムを鳴らし、出てきたつれあいに 「怒鳴ってしまってすみませんでした」と謝罪をして帰って行った。町内会がなくなったらいちばん困るのは一人暮らしのお年寄りだというMさんの怒りはわたしとおなじ怒りである。
当初、こんな文章じゃインパクトが弱い。町内会を抜けたらゴミは出させない、水道も止めるくらい書け、と主張して いた副会長のSさんにつれあいは「さっそくMさんがうちに怒鳴り込んできたわよ」と文句を言いに行った。今回、脱退を言ってきた数名はMさんも子どもの頃からのつきあいがある仲で、その分わたしたちより怒りは深いのだろう。夕方、犬の散歩を行く際にわたしは、他にも文句を言ってくる人がいるかも知れな いから犬を連れて町内をぐるぐる回っておこうか、とつれあいに冗談を言ったりしていたのだが、その日はMさんのような人はもう現れなかった。
とりあえず、爆弾は設置したわけで。
以下の内容で、連載中です。
第一部 【町内会 顛末記】自治会長というのをやってみた
第二部 【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう
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