2019年10月12日、過去最強クラスといわれた台風19号(Hagibis)がマリアナ諸島からアッパーカットを喰わせるように接近、上陸した。
以下、そのときの新米自治会長の動きを時系列で追ってみた。
というわけで、幸いにしてわたしは料理をしているだけ、つれあいはネットフリックスで映画を二本見ているうちに、大きな被害も事故もなく台風はわが町内を横目に通り過ぎて行った。
自治会長になって二年目のこの年。
わが家がこの町に越してきた頃は賑やかだった地蔵盆もすっかり参加者が減って、夕方の御詠歌を唱えるおばあさんたちもわずか数名ほどになってしまった。御詠歌の後で路地に並べた長机でみなが一杯傾ける風景もなくなってしまったし、人手が減ってテントの設営や撤収も一苦労だ。この世とあの世のあわいに存在するお婆さんたちの御詠歌を聴くのは好きだったけれど、あと何年、聞けるだろうかと思う。
思わぬ展開で自治会長になって二年。町内の財政(会計)を改善し、ぼろぼろだった掲示板や消火器などを刷新し、自主防災組織活動事業費補助金で防災ラジオも配布し、余裕ができたお金で敬老の日や子どもの日、夏の地蔵尊行事などで町内へ還元し、加えて会則の見直し、地蔵尊行事の段取りの簡素化、ゴミ出しのルールづくり、防災マップづくり、自治会長としての各種催しへの参加、地域交番とのやりとり、広報誌やゴミ袋の配布など、共稼ぎの夫婦としてはけっこう目一杯、町内会の改善・改革のために時間を費やしてきたと思う。
もちろんそれは、わたしや副会長のSさんだけでなく、わたしのつれあいや会計役のAさんの奥さんらの女性陣の活躍も欠かせない。じっさいに敬老の日などのプレゼントや地蔵盆のときのお寿司を店に注文して、各戸へ配布するなどの実行部隊の多くは彼女たちであった。また平日の役所とのすり合わせや催しへの参加の多くは休みが取れないわたしに代わって、つれあいが多く行ってくれた。
そうしてわたしたちが目指したのは当初の予定通り、じぶんたちの二年間で旧弊を打破し、続く役員の者たちがやりやすくなるような体制づくりであり、明瞭なマニュアルづくりであった。それはかなりの程度、予定通りにすすんだと思う。町内がどんどん良くなって、あたらしいことがいろいろ始まって楽しい、という声を聞くのもうれしいことだった。
そうして、満足といえる二年間の任期がもうじきおわる。
【町内会 顛末記】 前半「自治会長というのをやってみた」は、こうしておだやかに幕を閉じつつあるのだが、ここから怒涛の後半戦「町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう」が突如、マグマのように火煙を噴き上げるのであった。お愉しみに。
第二部 【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう へ続く。
以下の内容で、連載を予定しています。
第一部 【町内会 顛末記】自治会長というのをやってみた
第二部 【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう
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