トヨタはテスラに負けない
テスラ株が高騰している今日この頃。
世界的にもガソリン車廃止が歌われているこの状況下で,日本のトヨタはテスラにこのまま負けてしまうのか。
答えはNOである。
5年以内に
必ず
トヨタの株価はテスラを超えることになる。
少しここで日本がEV車に弱い背景の1つを紹介する。日産自動車の誤算が関係しているのだ。
日産は2007年に,NECと合同でEVの心臓部であるバッテリーを作るための企業を設立し,2010年には世界で初めて量産型のEV車「リーフ」を発表した。
しかし2018年にその会社を中国企業に譲渡してしまう。
なぜなら,中国の方針として「国内でEV車を製造する場合はバッテリーも国内で調達する」と掲げられていたからである。
そのため,中国がバッテリーの低コスト化に成功し,EV市場で確固たる地位を築きあげ,日本がEVで差をつけられた要因となった。
一方でトヨタは,1997年にHV車である「プリウス」を発表して以来HVにこだわってきた。
ちなみに,HV(Hybrid Vehicle)とは,ハイブリッドカーのことで,日本のエコカーでは最も普及している.
しかし,トヨタがHV市場で主導権を持ったために,トヨタに勝てないと見込んだ欧米各国がガソリン車だけでなくHV車に対する規制も強くなっていった.
ここで勝負の鍵となってくるのが「全固体電池」である。
全固体電池とは,リチウムイオン電池の2倍のエネルギーを蓄電することができ,さらに小さく,燃えにくいという安全面のメリットも兼ね備えている。
そんな全固体電池は日本企業の競争力が高い分野なのである。
電池は日本のお家芸
と呼ばれるほどである。
この電池によって,2020年代前半にテスラを再逆転する未来が見えてくるだ。
ちなみに,全固体電池の開発で有名な企業に「日立造船」などがある。私たちも注目すべきだろう。
そもそもテスラって?
テスラの量産型EV車に搭載された統合ECU(電子制御ユニット)が業界に衝撃を与えた.
ECUとは,エンジンの燃焼制御,燃費管理やAT(自動変速),エアバッグ,車間距離制御など様々なIT機能を制御するコンピューターであり,この概念は10年以上前から存在していたが当面は実現が難しいとされていた技術である.
具体的な例(自動ブレーキ):
よくCMでみかける自動ブレーキだが,これは前後の車両や障害物を検知し,ドライバーに警告したり,時には自動でブレーキをかけてくれたりする機能がある。
一方で, 統合ECUでは,フロントカメラの映像やサイドミラーカメラの映像,レーダーや超音波センサーなどを連携させることによって,ブレーキで速度調整をしながら止まるのが難しければあいている進路を探してすり抜けるという選択肢が増えることになる。
また,テスラは「自動車のスマホ化」と呼ばれるように,自動車を情報端末にするというだけでなく,ハードウェアやソフトウェア,エコシステムを構築することを意味している。
インターネットに車が接続されている状況であるために,購入した時点では自動運転でなくとも,アップデートを重ね,完全自動運転化まで押し上げることになるのだ。
テスラの今後の状況として,ポジティブサイドとネガティブサイドから比較してみる。
ポジティブサイド
電気自動車市場の25~30%を支配する可能性がある。
運転手のいらない「ロボタクシー」の商用化でも先頭に立つ。
ネガティブサイド
技術力で他社を圧倒するもヨーロッパでは他社の背中を見る。
同社の2020年の株価は700%超というとんでもない上昇を記録した。
しかし,テスラの売上高を支えるのは自動車販売だ。
株価に関わらず,トヨタに追いつくためには,自動車の売り上げ7倍に拡大する必要がある.
【トヨタとテスラの生産台数比較】
テスラの2020年:車は50万台にわずかに届かない程度
トヨタの2020年:952万台を生産し,生産台数世界トップ
上の数字からもわかるように,車会社の本分である車の売り上げでは,圧倒的にトヨタに分がある。
さらに,テスラとトヨタには生産効率にも大きな違いが見られる。
テスラ:2019年の工場従業員一人あたりの生産台数は10台
トヨタ:工場従業員一人あたりの生産台数が26台を下回ったことはない
つまり工場における生産効率に2.6倍以上の差があることがわかる
さらにさらに,ある会社が,テスラのモデル3を基本的な部品まで分解するティアダウン分析を行ったところ,製品・部品の仕上がりが非常に悪い状況であったことがわかった。
このような情報からも株価だけで日本の車産業に対してため息を吐くのはまだまだ早い。
日本の車産業の未来は明るい。
たとえガソリン車が廃止されようとも。
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