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ふやしますか

「延期もあるかもね」

自民党の幹事長代行がネット番組で「10月の消費税増税延期もありえる」と、思わせぶりなことを言っていた。

「景気が落ち気味なので…」というらしい。ホントか?その幹事長代行は、首相に近い存在だから、親分の意に沿った意見なんだろうな。
ただ、なんか煮え切らない物言いが、逆にモヤっとさせる。何か言うときは、必ず逃げ道を作っておく、政治家ならでは言い回しに聞こえたけど… (よく、“原則的に” とか “今のところは” とか “事実上の” とか、意味不明な枕詞をつけるよね)

すでに2017年4月から2年半延期していて、また延期? 増税ヤルヤル詐欺だな。やらなくても、ホッとする人が多いだろうけど…

国の運営にはいろんなお金がかかるから、財源を消費税に求めるのは、まぁ良しとしよう。でも、政権だったり、首相がやりたいこと(改憲)のために、タイミングを図るってのはいかがなものか? なんて、朝まで生テレビみたいなこと言える立場ではございませんので、言うつもりはない。言っているか?

自分が気になっているのは「消費税アップ、やりますか?やりませんか?」とか、「リリースのタイミングは果たして!?」とかではない。もっと本質的というか、消費者側のモチベーションの部分。

「消費税が10%になるから、お金使うの控えようかな」って、みんなが思うなら「消費税が10%でも、お金使いたくなる」には、どうすればいいのか考えるのが、センセイたちの仕事なのではなかろうか?そこそこのスペックのハードを御持ちだろうから、宝の持ち腐れになっちゃうよ。

深夜の通販番組にならうなら「消費税を100%にします!」って、宣言しておいて「でも、今は大事な時なので、今回に限り10%!」って、ディスカウントすれば、国民が口をそろえて「え~!!」って、リアクションしてくれるだろう。しないか。

ご参考まで、これは心理学でいう “アンカリング効果” といって、初めに見せられた情報が基準になってしまい、それを元に判断してしまう人間ならではの特性だ。定価を見せられたあと、割引価格を提示されると「お得」と感じてしまう、アレだ。

今は消費者も賢いから、割引価格を見ても、すぐ価格比較サイトで調べて、「なんだよ、ネットショップの方が安いじゃん!」ってことにもなりかねない。

話を戻すと「消費税が上がってもお金を使いたくなるには?」で、思い出したのがスタバのやり方だ。

10年前のアメリカで「地球温暖化を止めるため、紙コップはやめてマグポットに変えよう」というキャンペーンがあった。「4月15日、スタバにマグを持ってくるとコーヒー一杯差し上げます」というテレビCMを打った。これは、商品ではなくポリシーを伝えていた。

その前年の大統領選挙の時には「『投票に行ってきた』とお店で言えば、トールサイズ1杯差し上げます」という1日限定キャンペーンもやっている。

こういったやり方は「ブランドスパークス」と言って、カルチャーや人道的な社会問題に絡めて、人々の心に訴えかける頭のイイやり方だ。とても参考になる。

日本政府も、消費税アップで消費が冷え込むことを心配する前に、私たち消費者がお金を使う意味をセットにして考えたらどうだろうか?

そうそう、アメリカでは、寄付のカルチャーが当たり前だ。年収300万円の人は、年間平均10万円以上寄付するという。お金のいい使い方だ。
比べて日本は、国民ひとりあたりの平均年間寄付額は約3000円
東日本大震災の時でさえ平均約6000円だったという。

これは、寄付によって税金の一部が免除になるという税制の違いや「お金のある人が、貧しいひとに与えるべき」というキリスト教の影響も大きいという。キリスト教では、教会に通う人が自分の稼いだお金の1/10を献金している。旧約聖書の律法で定められていたことに由来するという。

日本は、寄付を優遇しすぎると、自分で設立した団体や知り合いの団体などに寄付してちょろまかすといった、脱税に使われる可能性もあるから、国が厳しい基準を設けて、お金の流れに目を光らせているらしい。

ところで、かつてあるお笑い芸人さんから「いくばくかのお金を寄付したいけど、ただ寄付するだけじゃ面白くないので、なんかいい方法ないすかねぇ」という相談を受けたときのこと。

プロ野球・ソフトバンクホークスの和田投手が「投球1球につき10本、勝ったときは20本のワクチンを贈る」というワクチン支援をやって、2年間で10万本以上のワクチンを寄付したことを思い出した。

その芸人さんは、プライベートでも精力的に人脈を広げる活動をしていたので「じゃぁ、コンパやナンパで知り合った女子の数だけワクチンを寄付したらどうか?」と、冗談半分で提案したところ、本当にやり始めた。いいことなので、こっそりやっていたから、メディアの知るところにはならなかったけど、今も続けていたら、いい話なんだけどな… 


沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です