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同年齢の子たちとは上手く関われなくても異年齢、異環境で育った子たちとは楽しそうにしてるって話<ユニークな子の育ち>

 新年あけましておめでとうございます。
本年も気まぐれなお話にお付き合いいただけると嬉しいです。

さて、毎年なんやかんやと言いながら
子どもたちを連れて合宿に生き始めてもう10年くらいになるかと思います。
最初はデイトリップから始まり、2泊、3泊 そして最後には1週間強の日程で子どもたちと寝起きを共にし、発達を援助する試みを行ってきました。
で、やっぱり合宿は子どもの発達、成長にとっても 支援者の私たちにとっても良い学びに繋がり、経験を積み上げることができる大切な機会であることを確信しています。
残念ながら昨年は、例年のような合宿ができず、年末に何とかスキー合宿を無事開催、終了することができたのでほっと胸をなでおろしています。

合宿でいくつか気を付けていることがあります。
もし、皆さんの中でも支援者として
子どもたちを連れて宿泊合宿をやりたいな~とか
もうすでにやっているよ~って人も違う取り組みについて知っていただくのは良いかなと思いますので、少しシェアーします。

宿泊合宿について
1.なぜ宿泊させるのか?
2.ある程度の期間宿泊するのはなぜか?
3.宿泊している間のプログラムの立案の仕方
4.宿泊合宿の効果
5.宿泊合宿で気を付けていること

1.なぜ宿泊させるのか?

 これについては、普段は定期的なサポートプログラムを行い、
サポートしていて、そのサポートのより多角的なサポートに繋げたり、普段見ることができない子どもたちの様子を見たり、また、その子が身の回りのこと 生活スキルがどの程度できるのか?のアセスメントの為にも宿泊して暮らすように過ごす中で子どもの様子を見ることができるのです。
よくある夏キャンプなどと一線を画しているところは「楽しむ」ことだけを目的にしていないこと。あくまでも彼らの発達をもっと効果的に援助するために必要なアセスメントを行うことと経験を通じて、学校や家庭では学ぶことができないことを学ぶ機会を与えるために必要なことだからです。

2.ある程度の期間宿泊するのはなぜか?
 最近でこそ、長く(1週間程度)できなくなったけど、
本当は1週間くらい必要なのだ。
なぜかと言うと、難しい人間関係の築き上げ方の練習ができるから。
友だちを上手く作れない子はその練習をしていないから。
失敗を経験して体得していく。
最近は子どもの友だち作りに親が干渉することが多くなり、
深い人間関係を築くことができない子が多くなってきている。
「親友」と言える信頼できる友はなかなか作れないようです。
まぁ、保護者である親であってもそういう人が少なくないので、
子どもが身近に見ることができる見本が無いのかもしれません。
友だちってケンカするものですよね?(笑)

3.宿泊している間のプログラムの立案の仕方
私の宿泊合宿の目的は、第一に子どもの発達を援助すること。
特に脳機能のバランスの良い発達を援助すること。
神経ネットワークが広がり、しっかりと髄鞘化すること。です。
普段のS&E療育プログラムでは、補えない脳へのアプローチを合宿を通じて行うためです。
第二は 一人で生きていくために必要なライフスキルの獲得です。
食材の買い出し、調理、片づけ、洗濯、入浴など普段の生活で行っていることをその子の発達段階に応じて行えるようにすること。その経験を増やしていくことです。家庭では、ついつい保護者の人がしてしまって子ども本人にさせる習慣がついていないことも多いので、それを避けるために行っています。第三は 宿泊地の自然や伝統文化、観光地も適度に楽しむことです。小さな日本であっても、その土地土地で素晴らしい環境が存在しています。人だけでは無く様々な生き物の多様性を知り、大切にしてほしいと願っています。また、参加する子ども同士でもお互いを受容し合い、助け合うという心が育ってほしいと思っています。それは学校の学習ごとからは学ぶことができないのです。本当の「知能を高める」ことはこのようなことから広がっていくのです。

4.宿泊合宿の効果
 宿泊での経験は、帰宅後現れます。
もちろん集中的に発達援助の運動プログラムをやるからなのですが、
そのような運動プラグラムがあまりできなかった合宿でも効果は現れてきます。生活スキルの向上はもとより、多方面からの脳への刺激は普段以上なので、効果が表れるのも不思議ではないですね。
幼い頃に(私のところでは小1から参加可能です)参加するとその子の人生における価値観にまで影響を与えます。例えば ストレス解消はゲームではないことを体感します。ゲームでは根本的なストレスを軽減できないことが分かってきます。自分に取って必要な大切な時間の使い方がだんだんわかって来て自分で自省できるようになるのです。
また、合宿では異年齢の子たちの中で過ごすので、それもまた彼らにとっては心地よい環境なのでしょう。同年齢の子たちの中ではどうしても他者と比べられ、自己肯定感を下げてしまいますが、異年齢の子たちの中に混ざるとより自然に自分を表現しているのが分かります。また、自分より小さい子をねぎらうことも当たり前のようにできるのです。

5.宿泊合宿で気を付けていること 
私自身気を付けていることは、やはり「発達を援助する試み」であるかと言うことです。そして、見守り適切なタイミングで介入すること。
子どもたちに「考えさえること」「発達段階に応じたサポートをすること」です。
そうすると合宿を重ねるごとに子どもたちは自然と発達、成長していき、
その内、周りと分断されることなく混ざって生きていくことができるようになるのです。特に「発達障害」という生きづらさを抱えている子の大部分が境界域に存在しているので、その子たちを「障害域」に近づけるのではなくよりそこから離れていくことができる育ちを援助するには様々な経験や人との関わりが必要なのです。その場合もまずは私たちが先に成長しなければ彼らを導くことはできません。ある程度導くことができたらその後は子どもたちが自分自身で道を見つけ、進んで行くことでしょう。

さて、参考になりましたでしょうか?
ただ今、保護者の為の学びイベント二つ企画しております。
どちらも入学準備ワークショップ
小学校入学準備と今年初めて行う中学校入学準備です。
Zoomオンラインイベントなので、日本全国あるいは世界中からご参加ください。外国の場合は、事前にお知らせください。

それでは、今年もよろしくお願いいたします。♬

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