【メモ・続き】今回の日弁連案が見ていない現実 (1)基本的に児童虐待である現実 (2)「13歳」の悲惨な前例と、先人が悪党だった現実 (3)自分たちが基本的かつ歴史的に搾取者である現実 (4)悪法のしわ寄せは女性and/or年少者にゆく現実


走り書き的なメモのまとめ。

前提

成人、とくに男性は、女性虐待/女性搾取と児童虐待/児童搾取の長い歴史を持つ。

産業や文化の歴史、戦争や災害の歴史、あるいは現代世界を見れば分かりやすい事実だ。

「男性が女性や子どもを守る」

などは騎士道ファンタジーか、キリスト教やイスラム教的なナイスな心がけではあるが、現実には普通だったことはない。

平和な時代、かつ、男性家長や上の人の気分次第でのみ存在する、幸運なオプションとでもいうべきものだ。

人々の命運が「上」の気まぐれ次第であることや、「下」が無意味に消耗することは身分制社会の伝統芸なので。

何ごとも女性and/or子どもへの搾取に依存してきた歴史と現実を踏まえて考えなければならない

世界を見るとわかりやすいが、戦争、防犯、災害など、どの社会でも女性が最終的に失政の尻拭いを担う。

前も書いたが身分制での男性の役割は「男性社会の偉い人を守ること」なので、妻子や老親は犠牲になる。見知らぬ女性や子どもなどはさらに犠牲にするし、実際そうしてきた。

近代日本では婚姻年齢が15であるが、性行為の同意年齢が13歳だった理由と社会背景を知りたければ

樋口一葉『たけくらべ』はまさに同意年齢13歳前後の話だ。


たしか現行刑法ができたころの時代背景と考えるべきもので現行刑法の産物ではないはずだが、ともあれ最後に主人公が泣いているのはそういう理由だ。

主人公の「姉」には非常に偉い顧客がいるらしいし、実の両親も同居しているが、

100年少し前の日本では名士も保護者も、寄ってたかって13歳の子どもを性的に虐待することを当然と考えていた。

特に日本を含め、仏教文化では親子の縁や男女の性別など世俗の立場の強弱が

「前世の行いの結果 。男は前世からの善人で成仏可、女は前世からの悪人で地獄行き」

と解釈されていた/いるためもあるし(「女人成仏」思想もそういう脅しと抱き合わせの免罪符販売とでも言うべき邪悪なとこがある)、

近代では

ニセ科学で「男らしさ(たとえば男性ホルモン)が、文明の原動力となり、高度な能力や女性への性欲を生む」

とされ、男性による暴力、特に女性への性暴力が、むしろ社会に好ましい要素とされていたせいでもある(他の元ファシズムの国や日本の中高年に今も散見される)。

懇意の偉い人がいても、愛する親がいても、表面上は華やかでも、たけくらべの主人公のような女性らの人生はほぼ地獄のままであるし、彼女らを虐待する場が要人の社交場でもあった

なお「下に楽をさせてはならない」という身分制の発想の一環として

「女に楽をさせてはならない」

「若いもんに楽をさせてはならない」

という発想で上から下まで身分制がいったん完成している以上、15歳で結婚しても基本的に生き地獄であり、例外的に幸福な人がいたという程度のことだ。

長年の日本の稼ぎ頭だった生糸などの軽工業も原料から加工、荷役まで人権の乏しい女性が格安かタダで主力を担ってきたのだし、

日本の先の大戦にせよ、もともと大の男が揃って無名の女の人たちや未成年を搾取して得た莫大な金銭を、大の男がそろって時代遅れの武器と侵略戦争に費やしてボロ負けし、またもや女の人に社会が守られ尻拭いされて復興した、古今東西よくある現象※ですし。

※まさにその世代の「お偉い」男性の卵だった1970年の日弁連会長発言のような「男が戦って女性を守っている」発想などは、全人類が爆笑し抱腹絶倒する悪い冗談です

今の日本も、21世紀手前の日本政府が福祉を切り捨てて女性を使う方向にかじを切り、女性蔑視への依存が激化したため簡単には男女平等が進まないが、

言い換えれば、

現行の法を作った人々や維持してきた人々は、このさき未来永劫、日本人を含む全人類から罵倒されるであろう人々

なのであり、

女性差別廃止について人類はいま奴隷制廃止や植民地支配解消の前後のような状態なのだから、

我々の先人が悪党だった事実を直視すべき、歴史によくある局面として、慣れておいたほうがいい。慮る必要などない。

たとえば、今後の主流であろう脱植民地主義的(つまり白人や男性中心の天動説のような世界観ではない)歴史観や世界観で自信を取り戻せるのは無垢な地域くらいで、日本は無傷ではいられない。

日本のような古くからの文明国は、日本史上初めて自分の悪や、「日本人男性が善であること」を中心に万物を説明してきた世界観に直面しないとならなくなる。

もう自国の悪を女性や異民族のせいにできないのだ。

欧米やキリスト教圏の先進的な反省を見て、日本人の無知な人々がよく言う「西洋/キリスト教は悪いことばかりしてきた」なども、今後さらにアホやなあ、と扱われるだろう。

良かったですね。歴史の重要な転換点を目の当たりにできて。過渡期に被害に遭う人々は気の毒でならないが。


閑話休題。

ともあれ、雑な制度のシワ寄せや問題解決は下が担うものだし、悪法の負担は最終的に市井の女性や年少者が担うものである。

今回の案も、所詮は搾取側ゆえに割と無能なほうの人々(主に男性)のただの思いつきであり、失敗した場合は常に女性and/or年少者に尻拭いされているという視点にたとう。

身分社会では、偉い人(主に男性)の思いついた雑な制度は、下が尻拭いする。

男尊女卑は身分制支配の要なので、悪法は最終的にはそのへんの女性にしわ寄せが行き、女性が解決するため問題が表面化しにくい。

それでも昔は、お偉い人々はウソブきがちなのだ。

「我々は理性的で、奴らは感情的。我々の支配は奴らの幸福。我々に使われて幸福な生き物のはずだから反発は異常だ。」と。

くどいようだが、産業、科学技術、文化、いずれも女性虐待や年少者虐待に依存してきたし、禁止しても何かあればすぐに虐待と搾取がおきる。戦争でも鉱業でも然り。

反面、安全に安定し稼げて名誉になる職業はギルド化しがちであり、戦争も重労働も軽工業も、医療も法律家も、それらにあてはまる場合は男性が占め、保護される。

不安定で危険で不名誉な仕事なら女性か被差別集団が占め、使い捨てられる。

法律家もギルド化しやすい職業の典型であるし、男性は特に歴史的/構造的な女性搾取の一方的な受益者側であり、立案や議論の当事者としては自覚と、慎重な態度が求められる。


親子関係ですら、伝統的に搾取が多かった現実を踏まえて慎重に振る舞うものだろうに

人間には基本的人権があり、身体を拘束などしてはならないし、されてはならない。

しかし人は、特に有効な同意もないまま人々を拘束してきた。

特に未成年は自我が未発達なので他人から自分を守りにくいし、養育が必要であるから、人々は未成年を搾取しがちである。

なので成人から未成年への関わりは未成年への養育に必要な範囲内に限り、しかも熟慮され吟味されるべきものである。

そして人間が健康な精神と尊厳感情をえるために必要な自我の成熟においては、

親しい人とでも同意できない経験、意思が異なる経験を沢山重ねること

「各自が自分として認識している範囲(たとえば体表面)」を尊重される経験、侵害されない経験

などが非常に大切である。

とはいえ、ひたすら大人に共感してもらい、大人に尻拭いしてもらって、自分と他人の区別や自我が未成熟なまま大人になると「性的同意年齢13で良し」などという、自他の区別のない幼稚な大人*が育つんだろう。

*日本人の男性文豪の描く「苦悩」に世界の人々が共感できない理由でもありますね、自我の未成熟さは。なので女性作家にばかり国際的な注目が行く。


そのへんを踏まえない成人から未成年、未成年対未成年の関わりは、児童虐待として扱う。

別に犯罪にしなくとも、色んなプロが関わって矯正すれば良い。

当然、親と子や、きょうだい間での「豊かな恋愛関係」などはない。児童虐待か家庭内暴力である。


少年犯罪になりうるのは未成年から未成年、あるいは未成年から成人への暴力の場合で他の重罪と変わらない。そのへんは正直言って現状の少年法や手続きと大差ない。


日本はホモソ社会独特の感覚論で「我が国には虐待など無い」とされた時期が長く、ノウハウが乏しい。


しかしプロレスごっこでも途中で相手が痛がればやめるものであるし、
やめなければ虐待であって、少し度が過ぎればお巡りさんや先生に怒ってもらうくらいは当然だろうし、
大きく度を越せば、罪に問われてもおかしくない。

また、自分が長年「無言でワザをかけあって笑いあう親友同士」と思っていた関係が、相手からみれば虐待や「いじめ」であることもよくあるだろう。

暴力か暴力じゃないかグレーゾーンの行動を複数名で行う以上、性的同意なんかも成人年齢か少し前が自然だろうし、

何歳であれ何であれ、Yes means yesは相手と関わる限り永遠に必要だ。

また、「プロレスごっこ」の例では特に際立つと思うが、「最初に誓約書を書かせる」なぞは虐待者やイジメ側の発想だ。

今気づいてオエエってなった


まとめ

「13歳」がどういう状態か、どう搾取に利用されてきたかはたけくらべが分かりやすい。

そして21世紀の世界と近代初期では前提が異なる。「男性は女性や子どもを守っている」などというおとぎ話は通じない。

「性欲や性指向の男女差などない」

「心理や知能や精神や脳に男女差などない」

「犯罪も戦争も災害も女性に尻拭いさせてばかり」

という事実が共有されているため、
「成人、特に成人男性が近現代においても身分制支配の特権階級として女性や子供を搾取してきた/いること」を前提に思考する。

残念ながら、身体の違いがある以上、どうしても搾取しやすいですからね。