ものづくりの道を歩んできた私が考える、未来の介護施設の厨房
こんにちは!モルツウェル公式note中の人の野津昭子です。
今日は久しぶりに「モルツウェルとゆかいな仲間たち#11」として、モルツウェルの製造設備の守り神的存在でもあり、"みんなを幸せにする厨房”を目指す「MAPS推進室」メンバーとしてなんと配膳システム用の台車の設計から制作までもやっちゃう、マルチな才能の持ち主、長島寛美さんを紹介したいと思います!
(1) ご自身の仕事内容を教えてください。
製造推進室としては、食品工場とはあまり結びつかないイメージかもしれませんが、製造機械のメンテナンスや修理、予防保全を行う設備保全を担当しています。また、現場改善で必要になってくるツールやアイテムの設計製作も担当しています。
MAPS推進室としては、厨房の工程レイアウトから必要になってくる設備の設計製作をやっています。
(2) これまではどんな現場でどのようなお仕事をされてきましたか?
モルツウェルが3社目となるのですが、最初の1社目と2社目は、金属加工会社に勤めていました。特に1社目では、技術課に所属しており、生産ラインの立ち上げや生産設備の修理・保全、さらには生産設備の自社開発も行ってきました。製造や機械が好きなんですよね。
その時の経験が今のモルツウェルで役に立っていると思います。
(3) モルツウェルのどういった点に興味を持ちましたか?
今までの経験を活かしたくて、とにかく製造業というのにこだわっていました。その中で自社製品を持っていることにもこだわっていましたね。松江市でそういう企業が無いか調べていたら、モルツウェルにたどり着きました。もちろん自社製品を持っていましたし、その製品というのが他ではやっていない真空調理法という特殊な製法だったことも興味を持ちました。松江にこんな会社があるんだ!といった感じでしたね。
数ある製造業の中で、確立した自社製品を持っていたところがモルツウェルに決めた理由です。
長島さんは、これまでの経験や知見を活かして、モルツウェルの真空調理食品工場の設備保守のお仕事と、モルツウェルのMAPS推進室で厨房現場改善のチームメンバーとして重要な役割を担っていただいています。
(4)一つ目の、真空調理食品工場の設備保守のお仕事ではどんなことを心掛けていますか?
音ですね。設備が発している音です。「あれ?いつもと違う音がしてるな?」という設備からの声に注意するよう心掛けています。だいたいその声を聞くと、調子悪いところの検討が付くんです。まるでお医者さんが患者さんに聴診器を当てて音を聞くように。設備が故障したとき、調子が悪いときの声って悲鳴に聞こえるんです。「苦しい、何とかして!」とか「動くのが辛いんです。早く楽にして!」みたいな。何気なく工場を巡回しているときも、そんな声にアンテナを張るよう心掛けています。
(5) これまでのお仕事でうれしかったことのエピソードを教えてください。
長島さんのお仕事に対する姿勢をみていると、わが子のように機械一つ一つに愛情をこめて接してたり、メンテナンスしたり、新しい設備を手作りしたりされていのが分かります。これまでのお仕事で、うれしかったことのエピソードを教えてください。
今まで設備が故障しないようにいろんなことをしていますが、その中で作業員の方から「最近トラブルがなくなりましたー」と聞くと嬉しくなってしまいます。設備をよしよしヾ(・ω・`)と撫でてあげたくなりますね。
それから、設備を修理してちゃんと直って動き出したときです。心の中で「がんばれっ!」と声をかけています。
本当に我が子のようです。故障が直って動き出したときなんて、しばらく眺めていたくなります。
(6)そもそもMAPSってなんですか?
現場の給食現場の厨房スタッフさんたちは困っていることに困っていないんです。
他の人が見ると、なんでそんなことしてるの?とか、利用者さんの好き嫌いがどうしてわかるの?と思い、まるで手品でもしているかのように作業が進んでいきます。全部覚えているんですよね。すごいすごい! ん?すごいなんて言ってられません。
記憶に頼った作業になってしまうと、人間なので勘違いとか記憶違いがおきます。人に教えるときも、頭の中のことをそっくり教えることになります。新人さんとかが入ってくると、これは大変ですよね。
またさらに作業を見ていると、やけに歩いていますね。持ってきた容器をまた持っていく?遠いところにあるごみ箱にわざわざ歩いて捨てに行ってる?大変そう・・・
作業に慣れれば慣れるほど困っていることがわからなくなってしまうんです。
これらの“大変”をさまざまな視点から解決していくのがMAPSです。
モルツウェル(Morzwell)に関わる全て(All)の人々(Person)が幸せ(Siawase)になることを目指す活動の頭文字をとってMAPS。
美味しく安心安全な真空調理済み食材「楽盛」と再加熱キャビネットで作業スケジュールを変え、盛り付け配膳システムなどを活用して厨房のスタッフさんの精神的身体的負荷も減らし、働きやすい厨房環境を実現します。そうすることによって、慢性的な厨房の人手不足解消につながり、介護施設経営者様、管理者さまの不安も解消できています。全国このシステムが浸透してきています。
(7)厨房現場改善のお仕事ではどんなことを心掛けていますか?
作業者目線です。どんなにいい現場改善のアイデアが出ても、作業者自身に使えないと判断されてしまったら、いつの間にか使われなくなっているといった感じになりますからね。改善の時は必ず作業者の意見を大事にしています。「机上の空論だね?」って言われると悔しいので、常に作業者目線というのは気を付けています。
逆に、どっぷり作業をしていないからこそ気づくこともたくさんありますので、現場スタッフや推進室のメンバーと話し合いを重ねながら改善を進めていっています。
(8) 一緒に働くメンバーとはどんな思いを共有していますか?
「少しでもいいものを」という気持ちです。もちろんいきなりいいものは出来ないので、最初は60%くらいのものになってしまうかもしれませんが、改良を重ねて最終的には100%のものを作り上げるという気持ちでいます。設備のメンテナンスもそうですし、盛付配膳台車(厨房見直し隊のムロさんは「エッセンシャル号(仮)」と名付けていますw)を作るときもそうです。使い手の目線や動線に配慮しつつ使いやすいものを意識しています。
(9)盛付配膳台車が生まれた背景を教えてください。
厨房作業の中で最も大変そうなのが、盛付作業と配膳作業です。
盛付作業は、壁に掲示されている盛付指示をわざわざ見に行って、作業台に戻り盛付を行っています。配膳作業は、「え~っとこの一口大の主菜はどこ?」といった感じで配膳台車を隅から隅まで探しています。これじゃぁ時間がかかりますし、探している時なんて中腰でずっといるから大変そうです。
そこで生まれたのが盛付配膳台車です。台車にはパソコンとモニターがついていて、今知りたい情報をモニター上で教えてくれます。盛付の時は、何を何膳用意すればいいか。配膳の時は、何をどこへ配膳すればいいか。全て教えてくれます。覚える必要はありませんし、掲示物をわざわざ見に行く必要もありません。しかも最新の情報に更新してくれるので、今日だけ特別みたいな対応もできるようになっています。このモニター付き台車を作業する場所へ移動させ・・・人が移動するのではなく、台車を作業するところに移動・・・歩くことなく作業をするんです。便利な台車ですよ。
(10)理想の厨房はどんな厨房だと思いますか?
常に新しいことへ挑戦する気持ちのある厨房だと思います。固定概念に拘らずスタッフさん全員が常にフレッシュな気持ちでいることが大切だと思います。ルーチンの作業が楽になれば、行事食の充実や利用者さまお喫食状態の把握から健康状態の改善につなげたり、本来の施設の食事を充実したものにできます。そのためにはまず働く人が毎日楽しく仕事ができる厨房環境となっていることが理想ですね。
(11)MAPSの概念を取り入れた厨房システムの導入や浸透に、障壁になるものは何ですか?
固定概念です。今までこのやり方でうまくいっていたんだから、今更変える必要ないでしょ?といった考え方があると、MAPSで改善しても気が付いたら元に戻っていたりします。いつもいつも改善がうまくいくとは限りません。うまくいかなかったときは、さらに改善をすればいい。後戻りがいつもダメというわけでは無いのですが、戻ったら戻ったなりにお客様と一緒に改善をしていくことが大事だと思います。まずは良くなった実績をどんどんつくって理解していもらえるようにプロジェクトメンバーと日々頑張っていること頃です。
(12) 最近チャレンジしていることは何ですか?
学生の頃からスキーをやっていましたが、ここ5年くらいご無沙汰しているんです。今年から始めるぞ!と思ってスキー板やブーツなどを買いそろえました!
昔学生の頃、おじいさんぽい人がすごく綺麗に斜面を滑っていたんですよね。それを見て「かっこいい―」って思って私もあーなりたいと思ったんです。せっかく長年続けてきたスキーをもう一度始めたいって思ったんです。
ところが忙しかったりなんだかんだで今年もできなかったから、是非来年こそスキーを始めるぞ!と決意を新たにしています。
仕事でもプライベートでも、続けることで技術を磨いていきたいと思っています。
(13)世の中に発信したいコトを自由に記載してください。
設備(機械)は何もしなければ壊れちゃいます。長く使うためには適時メンテナンスが必要です。自動車が定期的に車両点検を受けるのもそうですし、人間が健康診断をするのも同じ理由です。設備の悲鳴(異常)をいち早く聞き取って(気付いてあげて)適切な処置をしてあげれば、極端な話、設備は何年でも動き続けます。設備を我が子とはいいませんが、同じ職場で働く仲間だと思って大事にしていきたいと思います。
施設の厨房の作業も同じです。
全国の約300の介護施設に食事を提供しているモルツウェルが把握している介護施設経営者さんのお悩みトップ3には、
「厨房スタッフの高齢化」があります。
給食業界は、今まさにメンテナンスが必要な時です。平成の時代につくられた介護施設の厨房は、「広すぎ」設計の厨房がほとんど。その頃に採用されたスタッフはすでに65歳以上となっている施設が増えています。モルツウェルのMAPSの概念を取り入れた厨房だと、半分以下の面積で完結できます。今まさに令和式のDX厨房に変えていく時だと感じます。
持続可能な施設運営のために、MAPSの概念を取り入れた厨房をもっと知っていただけるように、私にできることを愚直にやっていきたいと思います。
あと、一緒に設備保守のお仕事をしてくれる方大募集中です!
一緒にワクワクするお仕事をしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうござます。
ド田舎島根から挑戦を続ける私たちを、これからもぜひ応援していただけたらと思います♪
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