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チャンジャって、



「いらっしゃいませー!!」


大学の時の友達と久しぶりに飲むことになった。


久しぶりのお酒だし、

話したいこといっぱいあるしわくわく。


「さてさて、何頼もうかー?」


沢山あるメニューを見ると、あるおつまみが目に入った。


スピード的に早く出てくる、あのメニュー。


そう、


「チャンジャ」


赤くてキムチみたいでずっと気になってた食べ物。

今までたまたま頼む機会がなかっただけで、

食べたことがなかった。


「何か頼みますかー?」


店員さんに聞かれて色々頼んだ。


「枝豆と卵焼きと唐揚げ、あとチャンジャで。」


そしてビール2杯と共にスピードメニューだけあって

例のおつまみは秒速並に速く出てきた。


「おつかれー!!」


友達と乾杯した後、ごくごくビールを飲む。


あーーー、おいし。


そして大好きな枝豆を連続で頬張ったあと

遂に、赤くてキムチ的な見た目のそれを食べてみる。


.......うん。



普通においしい。

予想通りキムチみたいにちょっと辛くて

絶妙にしょっぱくてお酒が進みそうな味。

コリコリしたような不思議な食感。



そこで、ふと思う。




チャンジャって何だ?


そう思って携帯で調べてみると、

自分にとって衝撃の事実が.......。



自然と箸が止まる。


....苦手だ......食べられない。



そう思ってると、友達が察したように言ってきた。


「まほってさ、食べ物の好き嫌い多いよねー。」


うん、そうかも。

しかも好き嫌いというか、

食べたことないのに見た目で判断してしまう

『食わず嫌い』というやつ。


勿体ないのはもちろん知ってる。

「明太子苦手」と言うと大体みんな言う、

勿体ないって。


でも食べられなくて困ったことないし、

グロテスクな見た目の食べ物よりかは

見たかんじ明らかに美味しそうな物が食べたいし

口に入れる前に安心して食べられる。


だから、私はチャンジャ以外の唐揚げとかを

もぐもぐ平らげた。



しばらくすると友だちに聞かれた。


「そういえば職場の人と仲良くなれたの?」


うーん、

なれてないかも。笑



転職して約3ヶ月が経とうとしてるけど、

未だに周りに気を使ってばっかりだ。



話してみたいけど....

だって見た目無口で怖そうな人いるし、

逆にパリピみたいな派手目な女の子もいるし...。


正直苦手なタイプ.....。


すると友達が当たり前のように言った。



「いやいや、話してみないとわからないでしょ。

   見た目だけで決めるなよ(笑)」



確かに、この子はめちゃめちゃ友達が多い。

明るくて周りから好かれる。

話も面白いし、私の大好きな友達。



この子が前に言ってた。

「うちの地元はめっちゃヤンキー多いけど

みんな良い奴だよ!!友達思いなんだよね。」

って。


そこで、気付く。



これって、食わず嫌いと一緒じゃん。



見た目だけで判断して、避ける。

それがどんな物かも知らないのに。


見た目が良くても、

それが本当に良い物なのかわからないのに。



そう考えると、確かに勿体ないわ。



とりあえず食べてみて、

不味ければ食べなければいい。

こんな味なんだなってわかったはず。

美味しければ、美味しいもの見つけた!って

嬉しくなるし、また食べようと思う。

それだけでもいいじゃない。




見た目怖そうだけど、挨拶だけでもしてみればいい。

「お疲れさまです」なんて微笑んで

挨拶し返してくれるかも。


見た目パリピみたいな女の子でも

ちゃんと話してみたら

「実は...」なんて真剣に話してくるかも。



見た目とか、外見だけで判断するなんて

何て偉そうな話だ。




この目の前にある赤いやつだって、

普通においしい。



もっと美味しいもの食べたい。

いろんなこと知りたい。


何か勿体ないことしてるなー。


ちょっと損してる気がした。




なんて色々考えてると、

赤いおつまみを美味しそうに食べる友達が聞いてきた。



てゆかさ、チャンジャってなんだっけ?



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