女の子じゃなくなった日
昔から酷い癖毛で年1度の縮毛矯正が欠かせなかった。
おまけに毛量も多く、美容院に行ってもいつも同じ髪型にしかできなかった。重めのロングに下ろした前髪、よく言えば有村架純みたいな清純派女優のような髪型だ。
そのせいか選ぶ服装も花柄ワンピ、グレンチェックのパンツ、マーメイドスカートなど万人受けしそうな女の子らしい恰好を選ぶことが多かった。
友達の会社の男性に
「ちょうどいい女の子」
と言われたのは今でも忘れない。
ショートカットにしたのは2021年の7月。30歳になった夏だ。
3~4年、ショートカットへの憧れはあったが、ショートにしてしまったら女の子じゃなくなるような気がしてずっと決心できないでいた。
『おしゃれな人はきれいなロングヘアか、ショートカット』
Twitterで誰かが呟いていた。
長年縮毛矯正とカラーを続けた枝毛だらけのこの髪の毛では一生きれいなロングヘアなんか無理だ。
夏場は毎日可愛くもない1つ結び。
もはや切ってしまっても良いのでは…?と思い美容院を予約した。
40㎝位切ったと思う。
ショートカットにしてからの私は気持ちが本当に楽になった。
今までは絶対選ばなかった、原色の緑のニット、鮮やかなターコイズブルーのスウェット、オレンジ色のワンピース、ピンク色のシアーなTシャツがクローゼットに仲間入りした。
ロングだった時よりもファッションがずっと自由になった。
はみ出したことをしてこなかった優等生の私。女の子はロングヘアで、スナイデル着てジルスチュアートのリップ使ってるものだと思ってた。ずっとどこか息苦しかったことに気が付いた。別に好きじゃなかったからだ。
髪を切った30歳、確かに女の子ではなくなったかもしれない。
だけど今が一番「人生楽し~!」と思っている。
誰かに選ばれるために自分を取り繕うより
自分がどう考えて、どう表現したいのか、それに共鳴する人を探した方がずっと楽しい。
『女の子』としてじゃなく『人間』としての魅力を見つけていきたい。
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