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世界中のすべての木をマッピングし、あらゆる土地所有者がCO2排出枠取引に参加できる社会へ - NCX | Built With Mapbox

NCX(旧SilviaTerra)は、毎四半期アップデートされる米国全土における森林の精緻な測定データをもとに、透明性が高く公平な排出枠取引(*1)のメカニズムを開発することによって、森林を活用した炭素市場(カーボン・マーケット)へのアクセスを民主化することを目指しています。

*1 温暖化ガスの排出を削減する手法の一種。森林保全や再生可能エネルギーの導入など他の場所で実現したCO2の削減・吸収の量を購入することで、地球全体としてCO2を削減したとみなす。(日本経済新聞「排出枠取引とは 管理主体は3種」より引用)

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カーボン・オフセット市場は、2030年までに500億ドル規模にまで成長すると予想されていますが、需要に見合うだけの供給はまだありません。米国には何億エーカーもの森林があり、気候変動対策として、また家庭の収入源として、カーボン・オフセットの供給源として大きな可能性を秘めています。

NCX 共同創業者兼COO マックス・ノバ氏「森林の炭素貯留能力の大きさと、実際の家庭への影響を伝えることは、Mapboxなしでは完全に達成することはありません。大規模なデータの処理から洗練されたビジュアライゼーション、またストーリーテリングまで、Mapboxのツールは私たちの成長に合わせて拡張して活用することができます。」

NCXは、あらゆる規模の土地所有者が炭素市場にアクセスできるようにすることで、高品質なカーボン・クレジット(排出枠)の供給を拡大させようとしています。NCXは、精緻な森林のモニタリングと測定を行うことで、従来まで森林を活用した炭素排出枠の取引から小規模経営の森林オーナーを除外する要因となっていた、高価なオーナー負担や困難な契約内容を取り除くことができます。NCXが運営する排出枠の取引所「Natural Capital Exchange (NCAPX)」は、環境保全のために森林管理のあり方を変え、CO2削減に貢献する土地所有者に価値を還元します。


6億エーカーを超える森林のモニタリング

森林を活用した炭素市場では、透明性と説明責任が重要です。NCXは、米国本土のすべての森林エリアを対象とした初の高解像度な森林データベースであるBasemapを用いて、登録された森林の時系列上での状態変化を評価することで、カーボン・クレジットの品質を測定しています。Basemapには現在、48州の6億エーカーの森林におけるデータがあり、920億本の木の種類や大きさなどが含まれています。

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Basemapは、LandsatおよびSentinelの衛星画像データ、FIA(Forest Inventory and Analysis)プログラム、米国土地被覆データベース(NLCD)、ラスタライズされた気候特性などのデータを使用しています。長年にわたる森林の生態系に関する研究に基づいた予測モデルを適用したデータは、Fiona、Shapely、NumPy、rasterioのデータ処理パイプラインで処理された後、Mapbox GL JSMapbox Studioを使って構築されたマップ上に鮮やかに可視化されます。

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木を見て、森も見る

NCXの取り組みは、データと人に関わるものです。印象的な数字だけは、実際の家庭や生態系への影響など、より広い視野でのストーリーを効果的に伝えることができません。NCXは、クライアントが彼らの取り組みの影響を理解できるように、Mapboxが公開しているインタラクティブなストーリーテリングのテンプレートを使用して、NCAPXを直感的な方法で説明しています。その一つは、ペンシルバニア州で最初に行われたパイロットプログラムにおいて、約67,000エーカーの土地所有者21名が登録され、約100,000トンの炭素に相当する木材の収穫を延期する契約を結んだというストーリーです。

NCXは、ストーリーの各章で可視化するデータを準備するために、QGISを使って主要な指標を個別の納税区画レベルで集計しました。その後、Mapbox Studioを使用して、木材の価値や伐採リスク、森林炭素を示すデータ可視化レイヤーを作成しました。

マックス・ノヴァ氏「数百万エーカーの土地やアラバマ州の農村部の家庭に与える影響は、ページに書かれた文字や静的な画像以上のものです。それは実際に体験してみないとわかりません。しかし、私たち全員が飛行機に乗って、田舎の家族が複数世代で暮らす家の様子を見ることはできるわけでもありません。Mapboxは、私たちの言葉や取り組みが生んだ実績を、他の方法よりも深いレベルの共感をもたらす魅力的なストーリーに変える手助けをしてくれます。」

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NCXの取引所には、米国南部の土地所有者が評価のために提出した900万エーカー以上の土地がすでに登録されており、2021年までに米国の他の地域にも開放する予定です。ネット・ゼロへの道のりに強いインパクトを与えるには、できるだけ多くの人々、組織、森林を巻き込むことが必要です。NCXがNCAPXをどのように運営しているのか、またNCAPXへの参加方法については、ncx.comをご覧ください。


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3月18日に開催されたウェビナーでは、NCAPXのさらに詳しいストーリーをご紹介しています。ぜひ合わせてご視聴ください。(英語)また、位置情報データを使って世界にポジティブな影響を与えるアプリケーションを開発している方は、ぜひMapboxコミュニティチームにご連絡ください。

*本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です

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