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酔っ払った頭で

「懐かしいっていう感覚好きだな」というセリフは、高校二年生の放課後、友人が言っていて、そう言えば私も好きだなと納得して以来、私のよく言うセリフとなった。

オリオン座を見ていると、中学生の頃ディズニーランドからの帰り、自転車で友人たちと一緒に見た夜を思い出す。東京ではオリオン座しか見えないし、宇宙についてよく知らない私たちはオリオン座しか覚えられなかったしし、いまでも私は空を見てもオリオン座しか分からない。

一人で一駅か二駅歩く時、特にそれが冬の場合、私は80kidzのthis is my shitのsheをよく聞いている。これが出たのは2009年らしいから、10年くらい経つけど、それをいまだに聞いているって思い出か何かにしがみついているのだろうか。単純に好きな曲だから繰り返し聞いているだけだけど。寒い冬、早くあるきたい時によく聞く。

こういう時の感覚と、波打際で波が引く時、足元の砂だけ残されて、変な感覚になるのは非常に似ている。これを最初に教えてくれたのは多分姉だった。その思い出も、波打際に立っている時の感覚に似ている。

毎日先に進んでいるようで、本当は波のように全て私をおいてどこか行っているような気もする。

酔っ払った頭で考えている、この感覚も、波打際に立っているような気分だ。誰にも分からなくても、こういう感覚が私には存在するということを何となく誇りに思う自分がいる。自分にしか分からない価値が自分の中にあるということが何よりも素晴らしいと感じたりするときがある。そういうとき、本当に世間体から離れていく私がいて、そういう時の私は、何にも期待してない純粋に感覚で行きているただのイキモノで非常に良い。

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